文系向けに購買・資材調達とは?を17項目で解説した完全ガイドをつくりました。
この記事には資材調達歴25年、現役の購買部長のノウハウを詰め込んでいます。
文系でも購買/資材調達部門に就職するための知識を網羅的に学べます。
・購買・資材調達ってどんな仕事?【残業はあるの?】
・購買・資材調達のやりがいって何?【つらくない?】
・どんなキャリアで年収はどれくらい?【高年収なの?】
・適性とか志望動機がイメージできる記事は無いかな?
・できれば購買転職におすすめの転職エージェントも知りたい
こんな疑問を解決します。
この記事では以下の17のことがわかります。
- 購買・資材調達部員になるには?
- 購買・資材調達の就職先は?求人需要は?
- 購買・資材調達の将来性
- 購買・資材調達の仕事内容は?
- 購買・資材調達の働き方│1日のスケジュール
- 購買・資材調達の役割って何?←面接でよく聞かれる
- 購買・資材調達にはどんな人が向いてるの?
- 学歴とか前職の経験は?
- 購買・資材調達に必要な基礎知識とは?
- 購買・資材調達の年収、出世、キャリアプラン
- 購買・資材調達の仕事のやりがいとは?
- 購買・資材調達転職にはどんな志望動機があるの?
- 購買・資材調達の仕事はつらいのか?
- 購買・資材調達の仕事はAIに奪われないの?
- 購買・資材調達の仕事に資格はあるの?
- 購買・資材調達の仕事に英語スキルは必要か?
- 購買・資材調達への就職成功のコツ・テクニック
この記事では、転職、就職に必要な知識の優先順位に従って知識を網羅していきます。
この記事を読めば、文系未経験者でも高確率で購買・資材調達部門へ就職・転職できます。
【文系向け】購買就職転職ガイド│調達歴25年の僕のノウハウ17選
結論ですが、購買職は未経験でも転職しやすい職種です。
理由は以下のとおり。
- 資材調達のスキルはやりながら覚えるものだから
- 資材調達の就職では、経験よりも人間的な適性を重要視するから
- 実際に転職に成功した人が未経験だから
具体的に、職場の転職者がほぼ未経験者という事実でも実証されていますし、わたしの前職も営業職でした。
購買の仕事はわりと簡単です。どの会社にも手順書とチェックシートがあり、マニュアル化されているから、そのとおりに進めれば一通り仕事ができます。
上司について半年も経験すれば一人前になれるから、未経験者でも転職しやすいです。
このあたりは以下の記事で詳しく解説しています。
≫【事実】購買求人の申し込みは6割が未経験者です│転職しやすい
じゃあ「何が大事なの?」というと、調達・購買の仕事で大切なことは「経験よりも適性」です。
本記事では、上記を深堀りしていきます。
購買職のメリット
購買職の良さはスキルが自分自身に100%残ることです。具体的には「コスト管理」「原価分析」「海外調達」「交渉力」「情報分析力」あたりですね。
専門職として転職や独立もしやすいから、年収を上げやすい職種です。
会社のために働くのではなく、自分のために働けます。
このあたりはWEB系のエンジニアや技術エンジニアと同じですが、購買職は文系でありながら、コストエンジニアとしてスペシャリストになれる部分が最大の魅力です。
さらに、購買はこれから必ず重要度が増していく職種です。
理由は、海外で一般的な「CPO」という役職が日本ではまだ定着していないからです。
CEO(最高経営責任者)やCTO(最高技術責任者)が日本でメジャーになったように、今後は必ず注目される役職になるでしょう。
CPO│Chief Procurement Officer=「最高調達責任者」
具体的には以下のとおり。
・世界NO1のApple元社長のTim Cook氏→CPOから昇進
・日本NO1のトヨタ自動車元社長の渡辺捷昭(かつあき)氏→CPOから昇進
一方で、日本の製造メーカーで調達責任者が経営に参加している企業は2割程度です。
世界のエクセレントカンパニーは調達が強い一方、日本では調達責任者の重要性はまだまだこれからですが「企業の利益=売り上げー仕入れ」で決まります。
企業の売り上げを上げるには「売り上げ↑+仕入れ↓」とする必要があり、これからの日本は、まず売り上げが上がりません。
どこで勝ち負けの差がつくかといえば「仕入れ」をいかに下げられるか?ですよね。
実例紹介│資材調達部員の仕事内容
業務の「前工程」と「後工程」を見える化すると仕事内容がわかりやすくなります。
(営業) 受注
↓
(技術) 仕様決定
↓
(資材) 見積もり→購入先の決定→発注→納品→支払い
↓
(工場) 生産
資材調達の仕事を抜き出すと以下の部分です。
見積もり→購入先の選定→発注→納品→支払い
購買・資材調達の仕事内容
資材購買の役割(ミッション)は以下です。
- 技術が選定した資材を
- 「良いもの」を「安く」「必要な時」に
- 工場に届ける
・購買先の選定
・価格決定と安定調達
・発注~納期管理
・外注管理
・現品管理・監査
・原価低減
・雑用(調査)
新入のうちは、赤文字の仕事をすることになります。
雑用の調査の仕事をはずすと、下の3つの仕事です。
①発注・納期管理
②外注管理・監査
③現品管理
資材購買部門が決定できることは2つしかありません。
1、購入先を決めること
2、購入価格を決めること
自分で買うものを決められないのに在庫の管理が仕事なのはなぜ?という疑問があると思いますが、3権分立という考え方があるからです。
営業=なるべく事前に準備したい
工場(生産管理)=なるべくたくさん在庫したい
上記のとおり、購入を要求する側はなるべく、たくさん欲しい人たちばかりです。
欲しいだけ購入していたのでは、社内がムダな在庫であふれてしまいますから、発注者である購買は在庫を管理する責任があります。
なお、上記は以下の記事でくわしく解説しています。
≫購買品を選べない資材調達部に在庫管理の責任がある理由【役割の一部】
【具体例】資材調達部員の日常を業務フローで紹介
基本的に定時出社の定時退社、休日出勤はゼロなので快適です。
でも「どんな日常なの?」という部分を転職する前にイメージできるとさらに安心ですよね。
以下の記事では、わたしの1日の仕事の流れを紹介しますから参考にしてみてください。資材調達の仕事の「いいところ」と「悪いところ」も知ることができますよ。
≫【就活生向け】資材購買調達の仕事の1日の流れを業務フローで解説
資材調達部員に必要な適性とは?
下の「D.E.スーパーの職業適合性」の図は職業適合性を理論化したものです。
企業の採用担当者なら、必ず習得している理論のひとつです。
一般的な就職、転職活動では図の「能力」「適性」「技量」の部分が重要とされていますよね?
しかし、購買採用での最重要ポイントは「パーソナリティ」です。
資材調達に向いている人の適性は以下のとおり。
・クイックレスポンスが出来る人
・購入品そのものに幅広く興味が持てる人
・不遜にならず謙虚な人
・責任感のある人
・調整力のある人
なお、資材調達に向いている人の詳細は以下の記事にもまとめています。
≫未経験者の資材調達転職に必要な適性まとめ│どんな人が向いてるの?
「クイックレスポンスって何?」って方はこちらの記事も参考にどうぞ。
≫資材調達の仕事に必要な2つの能力【優先順位とクイックアウトプット】
資材調達の転職で重視される適性│性格が9割
実際の面接で失敗しないように「企業が何を見ているのか?」は把握しておきましょう。
その項目は下の3つです。
1、原則的な心構え
2、取り組む姿勢・性格
3、適性・興味
ほぼパーソナルな部分ですよね。スキルは2の次ということです。
資材調達転職者の前職傾向│文系出身者が多い
資材調達転職の前職は文系と営業が多い傾向があります。
転職で資材購買になった人の前職の傾向はデータでも明らかですね。
順位 | 職種 | 比率 |
1 | 資材購買 | 40% |
2 | 電機メーカー営業 | 10% |
3 | 貿易事務 | 8% |
4 | 物流・倉庫 | 7% |
5 | 素材メーカー営業 | 3% |
むしろ文系のコミニュケーションスキルが高いという能力は購買の仕事に向いています。
しかも、資材購買転職者の6割が未経験だから、ゼロからでもためらう必要なし。
営業職からの転職組が多いところも特徴的です。
営業職からの転職理由は「営業がつらすぎて、逆の立場で仕事してみたかったから」が一番多いです。
営業から購買へ転職するコツについては、経験談で語れることを記事にしています。
≫【経験談】営業から資材調達への転職成功にスキルは不要│コツは1つ
購買部員は会社の顔
購買職は取引先の窓口として会社の「顔」ですから、能力が高くても社内外の人とトラブルを起こしやすい人では困ります。
余談ですが、あの有名なgoogleも本社勤務の採用基準は「能力」よりも「いい人であること」だったりします。
能力の高いエンジニアは世界中にたくさんいますから、リモートワークで短期に雇えばOKです。でも、本社採用は長期に働くので、トラブルの多い人材は会社の利益にならないという採用方針ですね。
つまり、購買職の仕事は理系よりも文系が多いし、文系の方が採用的にも有利です。
理由は以下の3点です。
1、資材調達のスキルマップと役割は文系に適性があるから
2、資材調達業務の知識は、就職後に習得するものだから
3、実際の就職者にも文系が多いから
なお、詳しくは以下の記事で解説しています。記事を読むとさらに理解が深まるかと。
≫理系より文系が資材調達の就職に向いている理由│購買部長の結論です
スキルマップについては、キャリアプランの提案もあわせて以下の記事で解説しています。
≫資材調達購買に必要なスキルとは?【未経験から転職する手順も解説】
購買資材調達の仕事に必要な基礎知識
基礎知識を資材調達の業務に当てはめたのが下の表です。
◆調達の本来業務 | ◆必要な知識 |
1、見積もり(C) |
|
2、納品管理(D) |
|
3、取引先管理(Q・S) |
|
黒文字の知識は、担当する購入品や会社のルールによって変わってくる知識です。
これは働きながら身につけたほうが効率的です。
オレンジ色の文字の知識は、わりと一般化された学習が可能な知識です。
基礎知識については「資材調達業務に必要な7つの基礎知識って何?【購買部長が徹底解説】」の記事で詳しく解説しています。
購買・資材調達の将来性│生活・年収・出世
購買・資材調達部員の出世と年収は?
ここでは皆さんが気になる、出世と年収の話を書いていきます。
購買・資材調達部員は出世できるの?
購買・資材調達部員は社長になれる?
どんな人材が出世しやすいの?
購買・資材調達部員の年収は高いのかな?
こんな疑問を解決していきます。
結論は以下のとおり。
・年収は業界で決まります
・なかなか社長にはなれません
・近い未来には調達出身の社長が当たり前になる
・でも資材購買部で出世するとしんどいです
順番に説明します。
資材調達部員の年収はどれくらい?
製造業は日本の基幹産業でもあり、歴史もあるので平均給与は高めです。
業界の平均はおおよそ450~500万円です。
年代・性別ごとの平均給与は以下の通り。
男性 | 女性 | |
20代 | 450万円 | 405万円 |
30代 | 540万円 | 435万円 |
40代 | 650万円 | 460万円 |
参照元:厚生労働省 平成29年雇用形態、企業規模・主な産業別賃金統計
男女での年収の格差が小さく、女性も活躍しやすい仕事です。
なお、年収は資材購買という職業では決まるものではありません。
年収は業界で決まります。
職種 | 平均年収(全体) | 平均年収(男性) | 平均年収(女性) |
専門職(コンサル/専門事務所/監査法人) | 601万円 | 638万円 | 509万円 |
企画/管理系 | 516万円 | 570万円 | 437万円 |
技術系(電気/電子/機械) | 461万円 | 471万円 | 368万円 |
技術系(IT/通信) | 452万円 | 469万円 | 395万円 |
営業系 | 442万円 | 468万円 | 378万円 |
技術系(建築/土木) | 428万円 | 441万円 | 364万円 |
金融系専門職 | 426万円 | 584万円 | 358万円 |
技術系(メディカル/化学/食品) | 411万円 | 444万円 | 370万円 |
クリエイティブ系 | 381万円 | 422万円 | 348万円 |
事務/アシスタント系 | 332万円 | 391万円 | 317万円 |
販売/サービス系 | 329万円 | 358万円 | 298万円 |
» 参考:平均年収ランキング(職種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】│doda
購買職が年収を上げる3つの方法
年収を上げる方法は3つあり、とはいえ大半の場合は「その②」を選ぶべきです。
その①: 暇な会社で死ぬほど副業
その②: 給料の高い会社に転職
その③: 仕事でスキルを上げて独立
なぜなら、いまだに副業禁止の会社が多いのが実情ですし、独立するにしてもそれなりのスキルと実績が必要だからです。
購買職の場合は、50歳を超えても年収アップの転職ができるから、年収をあげたいなら転職スキルを磨くのがもっとも効率がいいです。
具体的に購買職の平均年収と年収を3倍アップする手順を以下の記事にまとめました。
≫購買職の平均年収とは?収入を3倍増する3手順【1千万円の目指し方】
なお、残業をしまくって年収をあげる手はNGです。
若い時は「残業をしまくって年収を上げればいいかな?」と思っていましたが、完全にマインドが社畜でした……
自分の年収や給料が少ないのは「自分の能力が低いから仕方がない」と思っていませんか?
今のあなたの年収が低いからといって「将来も低いまま」とあきらめるのは間違いです。
年収が低くても挑戦していけば問題なしです。「400万円以下の低年収で劣等感に悩むのは無意味です│選ぶのは自分」の記事を参考に挑戦してみましょう。
転職先を選ぶ際の注意点
業界選びは職場環境にも影響するので転職する際には重要です。
機械的でスマートな資材調達の仕事をしたいなら、以下の順に選ぶと間違いが少ないです。
1位:完成車メーカー、車載の電装サプライヤー
2位:電器、電子部品メーカー
3位:化学、材料メーカー
現場に入り込んだ人間味あふれる資材調達の仕事が好みなら、逆の順番がおすすめですね。
このあたりは、実際にボクが転職で体験しているので信ぴょう性があるのかなと。以下の記事で詳しく解説しました。
≫知らないと7割が転職失敗【業界別】資材調達業務の内容と職場環境
なお、40歳以上で独立起業とか新しい分野への転職に悩んでいて、情報を探しているなら下記のサイトがオススメです。
≫Coachee(コーチー)
なかなか相談先が見つからない40歳以上のキャリアに向き合ってくれるから、あなたの救世主になってくれるはずです。
購買・資材調達部員は社長になれる?
今はどれだけ出世しても社長にはなれません。でも、未来は社長が元調達ということが当たり前になります。
例えば、世界topのアップル、日本topのトヨタ自動車の社長は元調達の責任者です。
Appleの元社長のTim Cook氏、トヨタ自動車元社長の渡辺捷昭(かつあき)氏
それぞれ、元調達の最高責任者「CPO」です。
今は社長にはなれない理由は、資材購買部門は縁の下の力持ち的な存在だから。
会社の花形といえば、今はまだ営業や技術者ですよね。
事業拡大してきた実績が積み上がりやすく、顧客との交流も多いからです。
一方で資材購買は取引先との窓口です。
企業の顔ではあるものの、経営者としての実績は貯まりにくい職種です。
トップにはなれなくても、ナンバー2になることはできる
資材購買部員の能力は高く、企業経営に必要な数字にも精通しています。
・最前線には立ちたくないが、黒子として活躍したい。
・将来は社長の座も狙っていきたい
購買・資材調達部ではどんな人物が出世しやすいのか?
もちろん仕事が出来る人と出来ない人なら、出来る人が出世します。
問題は、同じくらいの能力の人のどちらが優遇されやすいのか?
経験上、こんな人のほうが出世しやすいです。
・社内にも社外にも強い人脈を持っている人
・多少強引でもガンガン指示する人
・運が良い人
ただし実際に資材部長として働いている感想は、正直しんどいです。
このあたりは「【悲報】購買・資材調達部で出世すると幸せになれない│正直しんどい」の記事をどうぞ。
記事内での結論は、出世しそうになったら年収アップの転職をするとギャップが埋められます。
なお、年収アップの転職方法にはコツがあり、以下の記事でまとめています。
≫購買職の平均年収とは?収入を3倍増する3手順【1千万円の目指し方】
購買・資材調達部員のつらさと未来について
購買・資材調達部員のつらい部分と仕事の将来性(未来)についての疑問を解決します。
・購買部門のやりがいとは?
・資材購買部員はブラックな環境ではないだろうか?
・資材調達の仕事の将来性はどうだろうか?
・AIに奪われたりしないだろうか?
・工場が海外に移管したら仕事がなくなるのではないか?
結論です。
・資材調達部員の仕事がつらいかどうかはあなた次第
・資材調達部員の生活の質はあなたの仕事の軸によります
・資材調達部員の仕事の未来は明るい【もっと楽になる】
購買・資材調達の仕事のやりがいまとめ
資材購買部員はリーダーくらいのキャリアが一番楽しく、やりがいを感じます。
全国の工場を回って新規開拓しながら原価算定や新技術の知識を学び、会社の利益にも目に見えて貢献できます。
仕事の「やりがい」は仕事の軸として大切です。つまらない仕事で人生の時間を使うのはムダですからね。
メーカーの資材調達部員のやりがいは、以下の記事にまとめていますから参考にどうぞ。
≫メーカー資材調達の仕事のやりがいまとめ【経験談:嫌なことは少し】
購買・資材調達部員の生活はつらいのか?【人による】
資材購買部員の生活はつらいのかといえば、その人次第としか言えません。
なぜなら、どのような生活スタイルを望んでいるかは人によって違いますからね。
もしも、わたしの例が参考になるなら以下の記事をご覧ください。
≫【購買・資材調達歴25年】仕事がつらい理由は3つだけ│解決できる
仕事がつらいか、そうでないかは「仕事の軸」に依存するから、軸を事前に決めておく事が大切です。
- 年収
- 人間関係
- やりがい
- 出世
- ワークタイムバランス
仕事の軸を決める方法は以下の記事で解説しています。
なお、資材購買の仕事はワークタイムバランスを重視した働き方に最適ですよ。
具体例は「工場勤務の資材調達部員の日常【購買の仕事は楽なので残業ゼロです】」の記事が参考になるかと。
未経験からの転職のコツ・テクニック
購買の仕事は未経験でも大丈夫ですが、求人数が限られているという特徴があります。
購買・資材調達部門の「仕入れ業務」はどの企業にも必要ですが、どの企業にも求人があるわけではないからです。
そのため、未経験から転職する手順は下記が最適です。
手順① 転職サイトで企業を探す
手順② 転職エージェントから求人紹介を受ける
手順③ 自分でも調べてHPから直接応募する
転職を決めたら、まずは転職サイトと転職エージェントに登録するのがセオリーです。
理由は、優良な企業ほど予算をかけてでもいい人材を獲得したいからで、いい求人が埋まってしまったらもったいないですからね。
逆に、優良な中小企業でも「求人予算がない」という会社も存在します。
ここを取りこぼすと後悔するから企業の求人フォームからも応募しましょう。
以下の手順です。
手順① GoogleMAPなどを利用
手順② 「地域名+購買職+求人」で検索
手順③ 企業の求人フォームから直接応募
実際、わたしが在籍中の企業もこの方法で入社できたから、思わぬ優良企業が隠れている可能性は高いですよ。
なお、未経験からの購買職への転職手順は以下の記事で解説しています。現役の購買部長が具体例で解説しているから失敗ゼロです。
≫【未経験者向け】購買転職手順を現役部長が具体例で解説│失敗なしです
おすすめの転職エージェント
転職エージェントはどこも差がないので、3つぐらい使っていけばOKです。
結局は企業とのマッチングの問題なので、大手と購買職に強い転職サービスに登録しておけば大丈夫ですね。
迷う方は、以下の3社に登録しておけば、まず間違いないかと。
マイナビエージェント
doda│業界歴が長く、信頼できる転職サービス。地方案件にも強いですね。
JACリクルートメント│薦めたい転職エージェントNo.1。業界トップの実力と実績があり安心です。ボクもここで転職しました。
なお、上記の詳しい解説は以下の記事にまとめています。
≫購買系に強い転職サイト・エージェント3選│独立する前提で選ぶべき
あわせて無料でできる診断ツールを使うと、自己分析の時間を効率化できて楽できます。
※無料で利用できる診断ツール
スケジュール感は半年です。
購買・資材調達の職種は求人が少ないので、一般的な転職スケジュールの3ヶ月では絶対足りません。
半年以上は必要ですから、できるだけ早く行動することが成功のポイントになります。
なお、スケジュール感については以下の記事にまとめています。
≫【保存版】資材調達への就職活動スケジュールごとのポイントまとめ」
未経験からの転職テクニック
未経験から資材調達を目指す場合、ESや転職志望動機の書き方も知りたいですよね?
これらの書類はテンプレ化が可能です。
ポイントは自分の目的と会社の目的を一致させていくことで、下図のイメージです。
購買・資材調達を志望する人の動機で多いのは5つあります。
- 文系の自分でも、ものづくりに貢献したい
- 購入を通じて会社の利益に貢献したい
- 購買のスペシャリストになりたい
- 海外でも活躍したい
- 情報処理が得意だけど営業職が向いていない
選定率100%の志望動機のテンプレは以下の記事でまとめていますから、参考にしてください。
≫資材調達部長が思わず面接したくなる人の転職志望動機の書き方5選
ESや自己PRの書き方は以下の記事を参考にどうぞ。
面接まで進んだら、最重要は予行練習です。
転職エージェントがいれば、受け答えの悪いところは修正してくれますし、面接官役になってのリハーサルもできるから面接で落ちる可能性はぐっと低くなります。
面接で良く聞かれる質問
実際に面接で聞かれる質問を用意しました。
教科書的な答えはこうなります。
「仕入れ活動を通じて原価の引き下げと品質向上を図り、生産部門に安定供給する」
さらに実務的に、以下のように答えると面接の印象がぐっと良くなります
「Q(品質)C(コスト)D(納期)S(サービス)のバランスを最適化し利益貢献する」
答えは、「優良な取引先を探して、協力的な関係を築く」です。
この場合の答えは「会社のルールに従う」です。
※上のボックスの^を押すと答えが開きます。
なお、以下の記事では体験談で面接での注意点をまとめています。
購買未経験者のよくある質問
資材調達未経験者のよくある質問に答えます。
- 資格は必要?
- 英語は必要?
- 知っておくべき法律はある?
- 接待はあるの?
- 在宅ワークはあるの?
- BCPってなんのこと?
- 購買の仕事はAIに奪われない?
順番に答えていきます。
1、購買・資材調達部員に資格は不要です
資材調達の仕事についてから、わざわざ資格を取る必要はありません。
キャリアアップするにしても、資格は役に立ちません。
≫メーカーの資材購買調達に転職したいあなたに資格は不要【理由あり】
購買管理職には、業務分析やマネジメント能力が大切になっていきます。
≫現役部長の資材調達戦略の作り方│会社目標は無意味で納得できない!
しいて言うなら勉強したほうがいい資格は簿記3級、QC検定3級です。
どちらも、長いキャリアの中で最後まで使える知識です。
資材調達の仕事を続けていば必ずどこかで勉強する事になります。
なら、早いうちにやっておいたほうが周りとの差別化ができますよね。
「簿記3級」「QC検定3級」程度なら「スタディング」とかを使えば、隙間時間でサクッと取得可能です。
2、英語は必要ないけど転職や独立に有利
英語のスキルは実務には不要ですが転職や独立には有利なポイントにできます。
実務では時差があり必然的にメールのやり取りのみになります。
WEB上の文章なのでコピペしてグーグル翻訳にかければOKです。
コチラから送る場合にも、メールの場合は例文を準備しておけば問題ありません。
以下のサイトで紹介されている文章だけでも仕事ができますよ。
イケメン英会話さん⇒https://ikemen-eikaiwa.com/
例えば「発注するときの英語メールの例文と書き方|資材調達必須フレーズ」
という記事を見れば、発注するときの英文が分かります。
さらに知りたい方は「購買資材調達に英語スキルは必要?仕事では不要、転職したいなら必要」の記事をどうぞ。
3、知っておくべき法律はあるの?
資材調達に最も関連する法律は「下請法」です。
下請法はその名の通り、弱い立場になりやすい下請け業者を守るための法律ですね。
発注側には「4つの義務」と「11の禁止行為」が規定されています。
公正な取引関係ができる資質は調達担当の適性としても重要です。
詳しくは「資材調達業務で注意すべき法律【下請法の3ポイントをやさしく解説】」の記事をご覧ください。
4、資材調達の仕事に接待はつきものか?
出世すると接待はあるにはありますが、イヤなら断れば大丈夫です。
5、BCPって何?
資材調達では、BCPという言葉が盛んに使われます。
BCPというのは、「事業継続計画」のことです。
一例として分かりやすいのは、地震や台風で工場が被災した場合ですね。
そんな時でも、供給を確保するために何をどのように準備しておくのか?ということを考えます。
このあたりは実務で学ぶべき領域ですが「製造業のサプライチェーンBCPの対応とは?現役資材調達部長が解説」の記事を読むと概要は理解できるかと。
購買・資材調達調達の仕事はAIに奪われない?
答えは「ノー」です。働き方はこれからの時代、次の3つに分かれていきます。
1、マックジョブ
誰でもできるマニュアル仕事を低賃金で責任小で働く仕事
2、スぺシャリスト
専門性を武器に、高時給、責任大で働く仕事
3、クリエイター
独立してゼロ収入~高所得で働く仕事
「AIに仕事を奪われないか心配」なのは、マックジョブで働く人たちです。
資材調達の仕事は営業職などに比べて、スペシャリストを目指しやすい仕事です。
ボクはAIに仕事を奪われるリスクは限りなく低いと考えていて、理由は以下の記事で考察しています。
≫【購買部長が断言】資材調達の仕事はAIに奪われない│むしろ楽になる
まとめ│大事なことは知識ではなく行動です
政府の発表では2018年以降景気は後退しているそうです。
さらに2020年以降のコロナ騒ぎは、これまで先送りにされてきた変化を実行に移すゴールゲッターになってくるはずです。
企業はますます「時短勤務」「配置転換」「給与カット」「リストラ」を進めてくるから、意図せず転職を強いらる方も増えるはず。
さらに人生100年時代に突入した今、「60歳以降は余生」みたいな人生観も変化していきますよね。
50歳以降の半分をセカンドキャリアとすると、35歳ぐらいからセカンドキャリアに向けて、いかに自分の市場価値を高めていけるかが重要です。
あるいは、30歳前後の方なら会社の要求と自分の能力とのギャップに悩んで、今の仕事を辞めたいと考えるかもしれません。
これまでのサラリーマンは特に専門性を持たなくても、ゼネラリストとしての能力があれば何とかなっていました。
しかし、人材ではなく、個人のスキルに給料を払う時代がもう来ています。これからのサラリーマンは努力して専門性を身につけていく必要があります。
資材調達・購買の仕事はそんな時代におすすめの仕事です。
というのも「将来性があり」「スキルも積みあがっていく」仕事だからで、しかも営業のような相手ペースの仕事のストレスもなし。
自分に合わない仕事を我慢して続けるのは、あなたにとっても会社にとっても、いいことはありませんよね。
「石の上にも3年」もいいですが「思い立ったが吉日」という言葉もありますし、なにより、行動しなければこの記事を読んだ価値もゼロですから。
市場に求められる人材になっておくと、未来を選ぶ人生を送ることができます。
思えば、わたしもきっかけは転職エージェントに勇気を出して登録したことで、未来が変わりました。
あなたの本当の価値は5分行動するだけで知ることができますから、この機会に是非どうぞ。
では、本記事は以上です。
マイナビエージェント
JACリクルートメント│薦めたい転職エージェントNo.1。業界トップの実力と実績があり安心です。ボクもここで転職しました。
doda│業界歴が長く、信頼できる転職サービス。地方案件にも強いですね。