資材調達ってどんな仕事?

現役部長の資材調達戦略の作り方│会社目標を意識すると失敗します

毎年4月に会社からおりてくる年度目標を意識して仕事の戦略を作ると失敗します。

なぜなら会社の年度目標は現場の実態とかけ離れているからです。

 

・上から数字が降りてくるけど、やる前から無理ゲーだよね

・あんなの現場を分かってないよ

・数字に根拠も無いし、ただの目標管理でしょ?

・部下もしらけるから真面目に取り組めないでしょ?

 

 

たしかに、会社からの指示は無理ゲーな数字だし曖昧です。

でも、スルーしているばかりのあなたは将来リストラされますよ。

 

なぜなら、きちんと自分のあたまで考えれば、やるべき事が見えてくるからですね。

やるべきことをやらない社員は、会社の期待にこたえられない社員です。

もし、実力のある若手が育ってきたら40代で早速リストラ対象になるかもしれません。

この記事では、現役の資材部長として無理ゲーな目標を達成している方法を実例つきで紹介しています。

この記事を読むメリット

・今まで無視してきた会社の意図を汲み取れるようになる

・現実にあった戦略に落とし込めるようになる

・部下に適切な目標を与える事ができる

今の会社に求められる人材は、他の会社にも必要な人材です。

イヤなら、いつでも辞められます。

会社目標を達成すると、結果として今の会社のストレスからも開放されます

 

現役部長の資材調達戦略の作り方│会社目標を意識すると失敗します

現役部長の資材調達戦略の作り方│会社目標が曖昧でピンとこない方へ

結論から言います。

購買・資材調達部における戦略は以下の事に集約されます。

有利購買を達成するための戦略

 

具体的には、以下のことを具体化したものが購買戦略になります。

 

①何の・・品目ごとの

②何を・・調達の手段を

③どのように・・根本的に

④どうする・・変える

 

 

会社からの目標がピンと来ない理由

 

資材調達の目標管理は、いろいろ会社から言ってきますよね。

・海外調達比率○%!

・コストダウン目標○%!

・在庫削減○%!

・納期遵守率100%!

・不具合件数年間○件以下!

こんな感じに。

 

でも、現場感覚とはかなり、ずれてる。

しかも何でもかんでも詰め込みすぎ。

まったく入ってこない、、

 

 

これは仕方のないことです。

なぜなら、会社の全体予算からの目標値なので、理想の姿なんですよ。

売り上げ目標と利益から導かれた計算値。

売り上げも利益も未確定なのだから、ピンと来ないのも無理はありません。

でも放置しておけば、自分も、自分の部署にも、会社にも未来はありませんよね。

何をどのように取り組んだらいいのか?

具体的に解説していきましょう。

品目ごとの調達の手段を具体的に変える目標の例

 

まず、目標を決めます。

目的は有利購買を達成することです。

そのために、「何を」「どのように」根本的に変えて、具体的に「何をする」のか?

これを目標に入れなければなりません。

そうしなければ、会社目標と同じくピンと来ないものになってしまいますからね。

具体的にはこんな例です。

・中国での現地調達を目標として、現地調査、見積もり、企業評価を行う

・国内コストの低減を目標として、新規に3社の取引先を開拓する

・取引先のコストダウンを引き出すために既存品の発注比率を見直す

 

一方ダメな例は、ご存知の通り。

・海外調達比率30%!

・新規取引先開拓の推進!

・集中購買比率60%!

 

ダメな例は、マジで何したらいいかわからないし、まったく響いてきませんよね。

「また言ってるわ」

こんな程度にしか受け止める事ができませんよ。

部長のわたしでも同じですから。

資材調達戦略を作る手順【3ステップです】

 

では、具体的に資材調達戦略を作る3手順を解説します。

わたしがしているのは、月並みですが、以下のこと。

ステップ1│現状分析

ステップ2│点数付け

ステップ3│対策とスケジュールを決定

 

ステップ1│現状分析「データを見える化」

 

戦略は現状の課題の中から見つけるべきです。

そうしないと、会社目標と同じで、中身の良く分からないものになるからです。

そのために、何を改善したいのかをまず「見える化」します。

例えば、こんな分類に分けましょう。

  • 材料
  • 加工品
  • 梱包資材
  • 薬品
  • 輸送費

 

次に、実態の調査をします。

  • 購入先
  • 購入量
  • 購入価格
  • 重要度
  • 代替の可能性

これらのことを、エクセルにまとめていきます。

そうすると、データが「見える化」されますよね。

実はこの時点で、すぐに戦略目標が明確化されることも多いです。

「なぜ、今年はこのサプライヤAの発注量が増えているのか」

「なぜ、類似品をこんなに多くのサプライヤから買っているのか」

「なぜ、この品目の単価が上昇しているのか」

こんな疑問がすぐに見えるようになるからです。

具体例を出すと

 

・プレス油、機械油、灯油類のオイル関係を10社以上から購入していた

・分析すると、知識のなさそうなガソリンスタンドや代理店からの購入もある

・オイル類は製造メーカーが数社しかなく、直系の商社がある

・直系の商社は価格も安く、製品知識もあり、提案や教育体制もある

・品種をまとめ、見積もりを行った結果、2社に統合できた

・また、価格も30%簡単に下げる事ができた

・サービス体制も充実。社内での勉強会やVE提案などの付加価値も提供可能

 

 

今まで20年以上見えなかった無駄なコストが30%も削減ができた事例です。

やったことは、実態の調査と「見える化」をしただけ。

 

ステップ2│点数付け【パレート図で見える化】

 

現場での調達戦略とは

「目標の達成のために、どこにどれだけに工数を割り振るのか」

ということです。

なので、パレートの法則に従い、優先順位をつけます。

パレートの法則とは

全体の80%は20%の要素で構成されているという原理原則のこと

 

全体の80%を占める20%を層別していきます。

具体的にはQC手法で使う「パレート図」「散布図」を使い「見える化」します。

 

コストの80%を占める20%をA郡=「戦略対象」

コストの20%しかない80%をB郡=「簡易購買」

 

やる気の出ない心に響かない資材調達戦略は、B郡の細かい改善に工数を使いがちです。

企業の人資源は限られています。

特に資材調達部門は少数精鋭で、人数が少ないのです。

なので、貴重な工数は、重要製品であるA郡の改善に集中すべき。

経験上、ロングテールのB郡は数社にまとめてしまってもいいと思っています。

(先のオイルの改善で紹介した事例と同様です)

調達戦略は「目標の達成のために、どこにどれだけに工数を割り振るのか」

調達担当者の付加価値をA郡の改善に費やすことができます。

そうすると、課員の満足度や達成感も上がり、モチベーションも維持できますよね。

結果として、実務担当者の心に響く資材調達戦略の目標を作ることができます。

 

ステップ3│対策とスケジュールを決定

 

A郡の購入品は初期の段階では、簡単にコスト削減できます。

しかし、年月を重ねるにつれ、改善の難易度が上がってきます。

そこで、管理者は対策とスケジュールの戦略も具体化しなければなりません。

おそらくA郡はこんな特徴があるはずです。

①対象の特徴をつかむ
  • 汎用品というより特注品
  • 難易度が高い
  • 希少性が高い
  • 原価が分かりにくい
  • 購入先が独占状態

なので、問題点を明確にした上で、対策も考える必要があります。

対策には以下のものを当てていきます。

②具体的な対応策を決める
  • VA/VE(価値分析)
  • 標準化・共通化
  • 原価分析
  • IE(動作分析)
  • コストダウン交渉
  • 新規開拓(海外調達)

 

適切な対策が決まれば、対応する担当者、協力部署も決まります。

 

③担当者を決める
  • 協力部署とプロジェクトチームを作る
  • 月に1回の会合を計画する
  • 取引先との交渉スケジュールを決める
  • 新規取引先の開拓スケジュールを決める

これが、具体的な戦略の施策になります。

 

④スケジュールを決める

あとは、年間のスケジュールを作成。

会社の承認を得て、課員に説明すればOKです。

まとめ

会社から毎年4月に提示されてくる戦略・目標はたしかに意味がないように感じます。

・あいまい

・詰め込みすぎ

・理想論

・できなくても、お咎めなし

こんな風に思われています。

ですが、だれも興味をもたなかったら、会社が潰れてしまいます。

そうして多くの大企業が、海外との競争に敗れ衰退してきたのは明白ですよね。

 

戦略というものは、具体的でかつ、実現性が高いことが必要です。

会社の目標がダメでも、やる事はあります。

資材調達部員たるもの、担当者にまで響くような戦略に落とし込まなければなりません。

資材調達は買いの利益で会社を支えているからです。

これは、このブログでもモットーでもあります。

今回紹介した手順が、担当者まで納得のいく資材調達戦略の実現に役立つと幸いです。

今回は以上です。