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コンプラ注意!現役バイヤーが教える最大値引きの交渉テクニック6選

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交渉ごとは何事も最後の仕上げが大切といわれています。

例えば、あなたがテレビや冷蔵庫の値引きをしたとき、マイカーやマイホームの値引き交渉をしたとき。

交渉が終わったあとに本当に満足した結果だったでしょうか?

ほぼ、こんな後悔が残ったはずです。

もっと交渉すれば金額が下がったかもしれない、、、

うまいこと営業マンに丸め込まれたんではないか?

ほかをあたれば、もっと値引きができたんではないか?

もう少し待てば、もっといい条件が引き出せたのではないか?

プライベートであれば反省すればOKですが、コストダウンを仕事としている購買部員(バイヤー)の世界ではそうも言ってられません。

というのも、あなたの交渉ひとつで企業の利益構造が大きく変わってしまうからです。

予算を超えて決着してしまえば、予定利益を下回ってしまうことも。

それなのに購買部員(バイヤー)の交渉スキルは、多くの会社で個人に任されていることが多く、手順として体系化されていません。

つまり「役割は大きいけれども、責任は個人でよろしく!」という状態です。

これでは、交渉スキルをどうやって磨いていけばいいのか?わかりませんよね。

そこで今回は「コストダウンのダメ押し交渉テクニック」を紹介します

後悔を残さないために、筆者が現役の資材調達バイヤーとして実践している方法です。

本記事の内容を実践すれば、コストダウン交渉の締めくくりに後悔することがなくなります。

プライベートでの交渉でも使えるテクニックなので、参考にしてみてください。

現役バイヤーが教える最大値引きの交渉テクニック6選

 

本記事で紹介する手順は、最終見積もりをさらに値引きするためのテクニックです。

具体的には以下の6つを解説していきます。

1、期間や対象品を限定し値引き幅を積み上げる

2、端数のカット、単価の丸め

3、上司、メンバーをかえ値引き幅の積み増しを図る

4、他の発注情報を提供し積み増しを図る

5、価格以外の取引条件で譲歩してもらう

6、最後の「二分の一作戦」を申し入れる

交渉が一段落した際、もう一歩突っ込んだ交渉をする値下げのダメ押し策を持っている購買マンと、そうでない購買マンでは成果に大きな差が出ます。

成果に差が出るということは、市場価値が高い人材ということで年収も上げやすくなるから、参考にしてください。

1、期間や対象品を限定し値引き幅を積み上げる

継続的に購入がある量産部品や材料の見積もりで使うテクニックです。

長く製品続くアイテムや、量の多いアイテムに限定して、さらにコストダウンを迫ります。

NimU
NimU
よく使うのが、数量条件による見積もりですね。

例えば100個の場合は300円、500個の場合は250円、1000個以上の場合は200円というように、発注単位が多くなるごとに単価を安く細分化して再見積もりをお願いします。

初回の見積もりはこの状態で出しておいて、定期コストダウンごとに数量の多い単価に統一していくという定期コストダウンのテクニックにも応用できますよ。

2、端数のカット、単価の丸め

工事の見積もりや、設備の購入など、1回の取引の場合に使うテクニックです。

文字通り、見積もりの端数をカットしてもらう方法ですね。

例えば、見積もりが158,000なら最後の8,000円をカットしてもらうなど。

NimU
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注意点は、出精値引きをさせないこと!

取引先からすると「出精値引きは」見積もりに含まれる想定内の値引きです。

「出精値引き」は見積書からは絶対に排除しておくべき項目でして、たとえ端数きりや単価丸めの結果であっても、見積書に「出精値引き欄」を追加させないようにしましょう。

この欄が見積書にあるだけで、通常の見積もり時に、どうがんばっても気合の入った見積もりを引き出すことができなくなってしまいます。

3、上司、メンバーをかえて値引き幅の積み増しを図る

・あなたが担当の場合→上司に頼んで再交渉をしてもらう

・部下が入手した見積もりの場合→あなたが再交渉してみる

会社に対しても「上司がやって最終の価格で決定した」という事が証明できるので、社内の納得も得られやすい方法です。

この方法は毎回使うと、相手も想定した初回見積もりを準備するようになりますから、ここぞという見積もりのときに使用するテクニックです。

上司に頼む場合は、事前に相手に「手ぶらでは顔が立たない」ということを匂わせておくことも有効です。

4、他の発注情報を提供して積み増しを図る

初回の見積もりでは開示していなかった情報を追加で出すことで、更なる値引きを狙うテクニックです。

取引先にとって魅力のある情報を追加で提供することで、次につながることをアピールします。

たとえば、以下の情報です。

・その製品の先行きの見込み

・最終で使われる製品名、商品の他のシリーズの開発予定

・類似品種で異なる図面

この方法は、その商品が自社にとって重要で、利益が見込める場合に有効です。

たとえば、世の中で流行っているもの、例えば今なら「任天堂のスイッチ」「iphone」、車載部品なら「人気の車種に採用されている」といった情報です。

ここで「他の発注情報」というのは、上記の情報であって「他社の価格」ではないので注意してください。

ここを開示してしますと、取引先からの信用がなくなり、本気の見積もりが取れなくなってしまいます。

 

5、価格以外の取引条件で譲歩してもらう

本体価格で値引きができない場合、これ以上は交渉時間のムダだなと感じたときに使うテクニックです。

本体価格からいったん目先をかえて、他の費用に交渉のポイントを移します。

具体的には以下の項目ですね。

・金型費

・設計費

・保守サービス費

・梱包費

・輸送手段

・荷姿

・多頻度納入

とくに多頻度納入や梱包改善による小ロット化は、社内の在庫回転率を上げる意味で、目先のコストダウン効果よりも大きなメリットを生むことがあります。

NimU
NimU
目先の価格を下げるような態度をとりながら、本当の目的は小ロット化であることさえありますよ。

購買としては、必要な分だけ購入できる事がベストなわけで、むしろ合理的なコストダウンのテクニックともいえるでしょう。

大量生産時代からの習慣で、大ロットにしてその分単価を下げて交渉する資材購買部員を見かけますが、それは間違いです。

コストダウン成果は「支払い総額」で評価する

単価が20円に下がったとしてもlotが1000個なら2万円の支払いになりますよね。

その製品の必要数が300個なら、単価30円で購入したとしても支払いは9000円で済みます。

うっかり1000個のロットで交渉決着してしまうと、会社には逆に2万円-9千円=11,000円の損失を提供する事になってしまいます。

6、最後の「二分の一作戦」を申し入れる

このテクニックはあまり使いたくない最後の手段です。

相手側の限界が見えたとき「値下げ申し入れ価格と提示価格との中間点」を妥協点として申し入れるテクニックです。

このテクニックは値下げの申し入れ価格はある程度の根拠があれば、低いほど成功する確率は高く、交渉が長くなってしまったときほど有効になります。

なぜなら、取引先としても今まで粘りに粘って首を縦に振らなかった買い手には「いい加減いして欲しい」と思っているものです。

NimU
NimU
いいタイミングで提示してあげると、あっさり決まることも多いです。

あまり早く使うと営業のペースになるので注意すること。

同様の手を使う営業マンも多いので、自分が引っかからないようにすることもテクニックのひとつですね。

おさらい:見積もり入手後の値下げ交渉

本記事はこれで終わりですが、ここまで解説してきた手法は、ひととおりのコストダウン交渉は終わっている前提でのテクニックです。

それぞれの注意点などを解説していく前に、その前段階「見積もり入手後の値引き手順とテクニック」をおさらいしておきましょう。

見積合わせ後の交渉は一発回答を重視する購買担当者は嫌うこともあります。

でも、それって単に時間をかけたくなかったり、面倒な仕事を省略したいだけであって、個人の都合ってやつですよね。

自分の買い物ならともかく、企業に所属している以上、さらに値引きが引き出せる可能性があるのに、それをしないのは怠慢です。

NimU
NimU
自分の部下がそのようなことを行っていたら指摘してあげたほうが良いですね。

見積もり合わせを行ったときは、自動的に最安値を提示した取引先に決定せず、最安値先から、最安値価格を下回った目標価格で順次交渉を行います。

具体的には以下のテクニックを使って交渉してみてください。

  •   受注意欲のある会社から、さらなる値引き交渉を行う
  • 「あと少し安くしてくれたら発注できるのに」とにおわせて、全社から再見積をとる
  •  取引経緯で貸しがある会社、営業マンを狙って再交渉をかける

まとめ

今回は、最終見積もりをさらに値引きするための手順と6つのテクニックを紹介しました。

実はこれ以外にも、自分だけのテクニックは無限に存在します。

今回紹介したテクニックは日常生活でも十分使えますから、仕事以外のあらゆる場面で取り入れてみてはいかがでしょうか。

テクニックが自然に出てくるようになれば、あなたのコストダウンスキルはぐんと上がることでしょう。

これまで、5記事で解説してきたコストダウンに関する記事は、本記事が最後です。

次の記事では「逆にコストアップを申し入れされた場合の対応」について紹介しています。

近年では市場環境が厳しくなり、原料費の値上げなどもあって、これまでの協力姿勢から自社の存続を第一優先としてくる取引先が増えてきます。

コストアップに対応するスキルも磨いておく必要がありそうですよね。

興味があればぜひ参考に読んでみて下さいね。