今まさに資材調達・購買部員の採用活動をしていますが、たまにこんな人に出会います。
「うわ!この人採用するかはわからないけど、とりあえず会って話を聞きたいかも?」
採用責任者に、こんな風に思われる資材調達・購買部への転職志望動機って知りたくなりませんか?
この記事では製造業の資材調達・購買部長で採用担当者でもある筆者が、確実に書類審査を通る志望動機5選を例文つきでご紹介していきます。
資材調達・購買部の転職に成功したいなら必見です。
・面接まで行ける志望動機の書き方を知りたい
・資材調達・購買の志望理由が言語化できない
・差別化した転職志望動機が書けない
こんな悩みが解決できます。
・志望動機を強烈にアピールする書き方
・志望動機をライバルと差別化するポイント5選
・書類審査を通る志望動機の書き方と【例文つき】
本記事の信頼性として、資材部長としてのわたしの市場価値です。
転職者に必須のMIIDAS(ミイダス)の市場価値診断で測定した結果。
平均の提案年収は678万円ほど。
Contents
調達購買部長が思わず面接したくなった人の転職志望動機の書き方5選

結論
転職志望動機で一番大切なポイントは「なぜ、資材調達・購買の仕事を志望するのか?」の理由の部分を明確にすることです。
営業ではなく、どうして資材購買部でなければならないのか?
その理由を差別化して伝えられるかどうかが最重要です。
本記事の目的は転職志望動機を上手く書くコツなので割愛しますが、ダメな例は以下で解説しています。
アピール方法│資材購買への転職志望理由の差別化
資材購買の志望動機で、採用担当者に強力にアピールできる書き方は ほかの職種と差別化できるポイントを深彫りすることですね。
そんなアナタのために現役の購買部長が「採用担当にあなたの想いが伝わる志望動機5選」をお伝えします。
【差別化できる】資材購買への転職志望動機5選
まずは、志望理由を【差別化】する工夫をしましょう。
転職志望動機欄は次の5つのことを書くと差別化できます。
1.文系の自分でも、ものづくりに貢献できるから
2.購入を通じて会社の利益に貢献できるから
3.購買のプロになることができるから
4.海外でも活躍が期待できるから
5.情報発信を通じて会社に貢献できるから
1、文系の自分でも製造業のモノ作りに直接貢献できるから
下表は転職で購買になった人の前職の傾向です。
順位 | 職種 | 比率 |
1 | 資材購買 | 40% |
2 | 電機メーカー営業 | 10% |
3 | 貿易事務 | 8% |
4 | 物流・倉庫 | 7% |
5 | 素材メーカー営業 | 3% |
購買で活躍してる人の前職は文系(事務系)ですよね。

≫理系より文系が資材調達の就職に向いている理由│購買部長の結論です
この点が盲点で、文系がメーカーに就職する場合に志望できる職種は事務系に限られます。
文系の中でも、唯一ものづくりに直接的に関わることができる職種が「資材購買」です。
この点が文系の職種の中で「あえて」資材購買を志望する理由として差別化できます。
例えば、Aという素材を採用しようという製品があるとします。
でもBという素材のほうが安価で入手性もよく、寸法の精度管理も優秀です。
すると、購買の知識をもとにBという素材を使用したらどうか?
そんな提案をすることができますよね。
自社の工場にとっては、精度がいいほうがつくりやすく生産も安定。
顧客にとっても、入手性よくコストも安価で済むというメリットをあなたが提案できます。
2、購入を通じて会社の利益に貢献できるから
「原価低減の成果が利益に直結するところに魅力を感じたから」
こんな理由も資材調達の志望理由として差別化できます。
例えば100万円の部品をあなたの努力で90万円に値引きしたとします。
その場合10万円の原価低減となり、10万円はそのまま会社の利益になります。
一方、営業部門が同じ10万円の利益を出そうとしたとしましょう。
利益率10%としても「100万円」の売り上げを上げる必要がありますよね。
営業で新規に100万円の売り上げを生み出すには大変な努力が要ります。
ですが、10万円のコストダウンは、スキルがあればそれほど難しくはありません。
つまり、資材購買部門は、営業部門の100万円の売り上げと同じ価値を数分の1の成果で出す事ができる仕事なのです。
成果がまるごと利益に直結する資材調達部門の仕事は、貢献金額が大きいということです。
あなたのスキルがそのまま会社の利益となる点が資材調達の魅力であり、志望理由の差別化ポイントになります。
「自分のスキル+購買部門での利益貢献」を組み合わせてアピールする事が大事です。
3、購買のプロになることができるから
資材調達・購買職は専門性の高い職種です。
わたしがまとめた購買職のスキルマップは以下のとおり(クリックで拡大します)

・業界動向
・原価分析
・コストダウン手法
・交渉術
・新しい技術の情報
・第2外国語
・簿記会計
コストの専門家としてデザインレビューに加わりアドバイスを行うこともあります。
デザインレビュー(DR)とは?
商品企画段階で、営業・設計・工場・資材購買などの専門化が集まり、最適な製造条件を構築するために、意見を出し合うことです
・市場の標準幅を提案
・スクラップ評価金額を考慮した真のコストを提案
・安価な加工の順番を提案
もっと具体的な例を出します。
①素材に鍍金を施した後で加工する
②加工した後に鍍金を施す
この2つでは、スクラップの価格が異なります。
この知識は資材購買が社内に伝えなければ、わからないことですよね。
資材購買はコストの専門家(プロ)になることで会社の利益に貢献できます。
この点が資材調達のプロになることでしか達成出来ないことなので、志望理由の差別化ポイントになります。
4、海外でも活躍が期待できるから
資材調達の仕事には海外調達を通じグローバルに活躍できるという魅力もあります。
ただし「海外勤務ができるから」「英語が得意だから」だけでは、志望理由の差別化としては弱いです。
もしグローバルに活躍できることを志望動機にするなら以下のポイントを入れるといいですよ。このポイントがあるだけで、会社はあなたを採用する未来に期待できます。
・語学に自信があり、未開拓の海外調達先を発見することができるから
・海外調達先を開拓することで、より安く安定供給に貢献できるから
語学ができるという理由だけでは弱いです。
語学の強みを生かして会社に貢献できることをアピールしましょう。
5、情報発信を通じて会社に貢献できるから
営業が顧客と社内をつなぐ部署とすれば、購買は社内と取引先をつなぐ部署になります。

上の図のように、ものづくりには他部署や購入先、外注先の助けが必要です。
・営業部門はお客さんとの窓口。
・経理は銀行との窓口。
・資材調達は取引先との窓口になります。
資材調達の志望動機であれば、
「工場、技術、取引先とのつなぎ役となってモノ作りに貢献できる」という差別化が武器になります。
6.補足│資材調達・購買職の特殊なポイント
この情報は就職・転職者には有益だと思います。
正直なところ「コミニュケーション能力」というのは個人スキルとしては微妙です。
なぜならもっと分かりやすい「語学」「簿記」「宅建」「法律」「IT」「プログラミング」「マーケティング」といったスキルがある人のほうが優秀だからです。
でも、資材調達の仕事は上記のスキルよりも「コミニュケーション能力」や「人柄」といった「適性」の部分を重要視する職種です。
つまり、スキルが足りない人にもハンデがない就職先ともいえますね。
具体的な資材調達の転職志望動機の書き方

ここまでくれば、残りたったの2ステップで面接までいける志望動機が完成します。
手順1:実際に志望する会社の特徴と志望動機を絡めて書く。
手順2:5つの志望動機を自分の強みに落とし込んでいく。
上記を満足する志望動機の超簡単なテンプレを準備しました。
・営業や総務ではダメな理由は?
・自分の体験や長所と志望理由が一致する部分はどこですか?
・自分の言葉で説明できてますか?(鏡の前で練習)
営業や総務ではダメな理由は?
- あなたは、なぜ資材調達を志望するのですか?
- どうして資材調達の仕事が良いと思ったのか?
自分の想いと経験を素直に書けば大丈夫です。
・日本の代表産業である「モノ作り」に文系だけど直接携わってみたいと思った
・学生時代にビデオ店の仕入れ業務をする中で「モノの原価」に興味が生まれた
「資材は立場が相手よりも上だし、楽そうだから!」
残念なことに資材調達は立場が相手より上ではありません。
「営業と現場に挟まれるつらい立場でも、コミュニケーションスキルを活かしてうまく調整できる」
自分の体験や長所と志望理由が一致する部分はどこですか?
エントリーシートには「自分の長所・強み」「学生時代頑張ったこと」を記入する欄があります。(自己PRと一致する部分です)
「自分の長所・強み」「学生時代頑張ったこと」と志望理由がリンクすると最高です。
例1、「学生時代にがんばったこと」→「志望理由とのリンク」
経済学の全国インゼミ大会に参加。
ゼミ長として全国の大学生と交流。
発表テーマの「日米貿易摩擦」のなかで自動車産業部門を担当した経験
→ モノづくりの世界の魅力に興味を持った。
例2:「自分の長所」→「志望理由とのリンク」
何事にも好奇心旺盛で、興味をもつとのめりこむ性格
→ 資材調達の専門知識を極め、将来は調達のプロになりたい
・自分の長所や頑張ってきたことが生かせる職種として資材調達を志望。
・その自分の実体験をその例として語れる。
志望動機は自分の言葉で説明できてますか?
さて、ここまで読んだあなたがこのまま何もしなければ、読んだ時間は無価値です。
なんとなくできそうだな?と感じたら、次にすることは「手を動かすこと」ですね。
手順は以下で進めるのがおすすめです。
手順1:自分の強みや長所を言語化
手順2:今までやってきたことを書き出す
手順3:上記と志望動機をリンク
なかなか書けないときの対処法

そうなんですよね。
とはいえ、なかなか書けないのが志望動機の難しいところですよね。
なかなか書けないときは、以下の方法がおすすめです。
・先人の就職活動をヒントにしてもOK
・転職エージェントに下書きを書いてもらうのもあり
具体的に解説します。
先人の就職活動をヒントにしてもOK
例えば「就活ノート」というサイトでは、ライバルの就活状況を見ることができます。
このコンボが最強です。
転職サイトにはテンプレや過去の成功者の記入例が豊富にそろっています。
自分で考えるのもいいですが、筆が進まないときは他人を参考にするのもありですよね。
なお、ボクが使っていたサービスを参考にどうぞ。
※無料で利用できます。
リクナビNEXTの「グッドポイント診断」※自分の適性を知ることができる
MIIDAS(ミイダス)の「市場価値診断」※適正年収を知ることができる
Meets Company「説明会の紹介サービス」※採用情報を自動収集できる
特に「履歴書の自分の強みと志望動機のマッチング部分がうまく書けないな、、」というときに「リクナビNEXT」のグッドポイント診断が役に立ちました。

≫完全無料の「グッドポイント診断」で強みが分かれば年収アップは簡単です
『リクナビNEXT
職務経歴書に転職サイトのロゴが入らないので使えますよ。ワードとエクセルへ出力できる点も便利です。
注意!コピペはNG
他人の情報をもとに書いても絶対に面接でボロが出ます。
本気で自分の入りたい会社に受かりたいなら、最後は自分の力で書きましょう。
転職エージェントに下書きを書いてもらうのもあり
一人で書く事が苦手なら、転職エージェントのサポートを受けつつ、一緒に書くこともできますので。
転職のプロなら、あなたの悩みをイチから聞いてくれて適切にアドバイスをしてくれます。
転職エージェントは応募企業がどういう志望動機を好むかも知ってるし、志望動機の文章も考えてくれるので、ぶっちゃけチート(ずるい)です。
購買系に強い転職エージェントを利用すると、ライバルよりも内定率が高い志望動機を作ってくれます。
なお、購買系に強い転職エージェントは「購買系に強い転職サイト・エージェント3選│独立する前提で選ぶべき」の記事にまとめておきました。

志望動機を書いた後にやっておいたほうがいいこと

転職志望動機が書けたら、次にやる行動は2つです。
① 添削
② 面接対策
① 添削
転職活動では、まず志望動機を読んでもらうことが重要です。
というのも、読んでもらえなければ絶対に面接にたどり着けないからです。
たとえば、わたしも採用担当をしていますが、志望動機やESは全部は読まない前提で見ています。
・膨大な応募書類を全部読むのはしんどい
・志望動機がマッチした人材だけ面接したい
・採用コストをかけて面接までした人は採用したい
上記のとおり。
採用側にはこんな意向があることも知っておいてください。
ですから、転職志望動機が完成したら、だれかに添削してもらうといいですよ。
・家族
・友人
・恋人
多ければ多いほど、ブラッシュアップできます。
「転職活動をしていることは会社の人には内緒だし、友人に読んでもらうのも恥ずかしいよ!」っていう方は、無料で使える転職エージェントのサービスが役に立ちます。
転職エージェントの選び方
転職エージェントはたくさんあって迷いますが、結論は「どこでも大差ない」です。
大事なのって、エージェントとの相性だったりしますので。
ボクが過去3度の転職で必ず登録していた3社を参考にどうぞ。
リクルートエージェント│業界最大手の転職サービス。まずはココに登録しましょう。
マイナビAGENT│業界大手の定番エージェント。大手は案件が多く間違い無いです。
doda│業界歴の長く信頼できる転職サービス。地方案件にも強いです。
使えるものは使ってしまったほうが、ライバルとの差別化ができますね。
② 面接対策
webでの求人募集が多い=転職志望動機が良ければ面接までいける
となるので、面接対応もしておきましょう。
具体的には以下の3つです。
・鏡の前でひたすら練習
・質問回答のリハーサル
・聞かれそうなことの情報収集
面接対策│鏡の前でひたすら練習
転職の志望動機を自分の言葉で書いたら、実際の面接でスラスラと言える様になるまで、ひたすら鏡の前で練習です。
面接のテクニックについて知りたい方はこちらでまとめています。
仕事のやりがいを聞かれた時の対処法
実は、資材調達への志望動機と仕事の「やりがい」は同じものになります。
≫メーカー資材調達部長が選ぶ│仕事の4つのやりがい【嫌な事は少し】

面接で会話に困らないための情報収集方法
面接では志望動機とやりがいのほかに、時事ネタを聞かれることがあります。
就活中も資材購買部員になってからも続けている情報入手方法です。
≫有能な資材調達部員だけが知っている市場情報の入手先5選とまとめ方
最後に:転職活動中のあなたに伝えたいこと

これで最後です。お疲れ様でした。
採用を決めるのは企業かもしれませんが、入りたい企業へ採用される可能性を高める行動は必要ですよね。
正しい手順で活動すれば、今よりいい会社で働けます。
転職志望動機を完成して、面接対策まで終わったらする次の行動は以下の記事にまとめています。
未来を選ぶのはいつも自分なので、ちょっとでも参考に行動してみてくださいね。
では、本記事は以上です。