役割と基礎知識

資材調達業務に必要な7つの基礎知識って何?【購買部長が徹底解説】

資材調達の仕事をするにあたって必要な基礎知識を知りたいですか?

この記事では現役の購買部長が考える、必須の知識7選を完全解説します。

足りない基礎知識がわかればスキルアップすることができます。

・購買・資材調達の仕事をするうえで必要な知識はあるのか?

・調達部員はどんな知識を使って仕事をしているのだろうか?

・その知識はどのように手に入れているのだろうか?

 

こんな疑問を解決していきます。

 

この記事を読むメリットがある方

・資材調達の部署に配属されたばかりで不安な方

・資材調達の仕事に転職したい方

・これからスキルアップしていきたい方

 

基礎知識は資材調達の本来業務をするために、身に付けるべきスキルです。

 

かも君
かも君
なんか分かったような、分からないような?

たぶんこう思いましたよね?

 

かもかもまん
かもかもまん
基礎知識は説明が難しいので、体形化してわかりやすく説明することにします。

 

確実な事は、資材購買の仕事は基礎知識を身につけてスキルアップしていけば、年収1千万円も目指せますよ。

参考に資材部長としてのわたしの市場価値をMIIDAS(ミイダス)の市場価値診断で測定した結果。

MIDAS市場価値レポート
かもかもまん
かもかもまん

262社からのオファーと最高年収は1100万円でした。

平均の提案年収は678万円ほど。

資材調達業務に必要な7つの基礎知識って何?【購買部長が徹底解説】

資材調達業務に必要な7つの基礎知識って何?【購買部長が徹底解説】

購買・資材調達部門には3つの本来業務があります。

調達部の本来業務

1、見積もり(C=コスト)

2、納品管理(D=デリバリー)

3、取引先管理(Q=クオリティ・S=サービス)

この、本来業務を行うための知識が基礎知識(スキル)です。

 

かもかもまん
かもかもまん

「見積もりをするには」「納期の管理をするには」「取引先の管理をするには」

それぞれどんな知識(スキル)が必要なのかを考えてみましょう。

資材調達の仕事をするための基礎知識って何?

基礎知識をピックアップして、資材調達の業務に当てはめたのが下の表です。

◆調達の本来業務 ◆必要な知識
1、見積もり(C)
  1. 材料と加工法の知識
  2. 材料ロス・歩留まりの知識
  3. 価格決定の知識
  4. 原価の知識
2、納品管理(D)
  1. 調達リードタイムの知識
  2. 在庫管理の知識
3、取引先管理(Q・S)
  1. 取引の基本ルールの知識
  2. 発注先選定の知識
  3. 契約の知識
  4. 海外調達の知識
  5. 省エネ・環境対応の知識

 

黒文字の知識は、担当する購入品や、会社のルールによって変わってくる知識です。

これらは、じっさいに就業ながら身につけたほうが効率的です。

 

オレンジ色の文字の知識は、わりと一般化された学習が可能な知識です。

もしも、事前に学ぶのであれば、色のついたテーマがおすすめです。

既存の書籍、記事で学んだとしても一般論なので問題ありません。

 

購買・資材調達の基礎知識
  1. 材料と加工法の知識
  2. 材料ロス・歩留まりの知識
  3. 取引の基本ルールの知識
  4. 発注先選定の知識
  5. 契約の知識
  6. 価格決定の知識
  7. 調達リードタイムの知識
  8. 在庫管理の知識
  9. 原価の知識
  10. 海外調達の知識
  11. 省エネ・環境対応の知識

基礎知識の勉強方法と優先順位

 

前項でオレンジ色の基礎知識の勉強をオススメしました。

とは言ったものの、おそらく勉強する方はいませんよね?

 

かもかもまん
かもかもまん
わたしも、しません!(すいません)

 

もっとやりやすい方法がしりたいですよね?

 

かもかもまん
かもかもまん
資材購買の実務で必要な知識の優先度は以下になります。この順にやっておけば間違いありません。

【優先度の高い3つの基礎知識】

①原価低減(コストダウン)

②交渉術

③幅広い知識と専門知識

【補足の4つの基礎知識】

④調達リードタイムの知識

⑤在庫管理の知識

⑥海外調達の知識

⑦省エネ環境対応の知識

 

ちょっと分かりやすくなってきたと思います。

 

かもかもまん
かもかもまん

収支に直結する価格、原価に関する知識は最重要です。

2番目に欠品を予防する調達リードタイム、在庫の管理の知識。

海外調達、省エネ、環境対応の知識は最後で大丈夫です。

 

資材調達に必要な基礎知識①│コストダウン

 

資材購買に一番大事な知識は、原価の知識です。

なぜなら、購買・資材部の価値は原価低減(コストダウン)の能力で決まるからです。

▼企業の利益創出

利益1、売値の値上げ

利益2、販売量の拡大

利益3、原価の低減・・・・人件費 25% 経費 10% 材料費 65%

 

製造業では、材料費・外注加工費など、仕入れで原価の6割以上を占めています。

購買金額を5%下げると、売上高を固定した利益率で3%増やせます。

 

かもかもまん
かもかもまん
資材購買のコストダウンによる利益貢献度は他部署に比べ格段に高いんですよ!

 

よって、コストダウンに強い人材は、それだけで企業にとって魅力的ですよね。

 

コストに強い人材は評価されやすい

 

コストダウンの知識を身につけるコツ│普段から興味を持つ

 

コストダウンの基礎知識は物の価格に興味を持つことで身に付きます。

例えば

・マックポテトの原価はいくら?

・飲み放題だけど、ビールの原価はいくら?

・家電量販店やスーパーなどでの価格チェック

・物の原価を紹介した書籍を読む

・新聞で原油、ナフサ、金属などの相場をチェックする

・経済産業省のHPで、平均賃金を調べてみる

とかです。

かもかもまん
かもかもまん
モノの値段に興味を持つと、資材調達の仕事の楽しさが分かります。

 

普段からプライスとコストの違いを意識することも有効です。

売り手の都合で出た価格=値段=プライス

作り手の都合で出た価格=原価=コスト

売り手の値段=プライスと買い手の原価=コストをどこまでの金額で合致させられるか

価格交渉は、プライスとコストの綱引きみたいなものです。

資材調達に必要な知識②│交渉術

資材購買で2番目に大切な仕事は交渉です。

資材購買の仕事は社内や取引先と協力して成り立っています。

 

資材購買の仕事は社内や取引先の個人と個人の話し合いで物事を決定します。

人を動かしながら仕事をしていくために交渉力が必要です。

もしも資材購買担当がまったく交渉が出来ない人材なら、会社の大きな損失になります。

逆に、交渉力が高い人材は企業にとって魅力的です。

 

交渉力が高い人材は評価されやすい

 

「交渉は、お互いの妥協の探りあい」という言葉があります。

交渉にお互いの満足はありえないという意味ですが、実は、交渉の理想はお互いが満足するWIN/WINの関係です。

購買スキルを高めて、交渉術を学ぶことで、提案型の交渉が可能になります。

 

提案型の交渉が出来るようになると「WIN-WIN」が実現できます。

有名な良書を紹介します。

ハーバード流交渉術の本はたくさん出ていて、結構、高い割に内容は薄いです。

正直、この一冊が最高。

価格もたったの535円です。

 

この『ハーバード流交渉術』のテクニックを使うには、交渉技術だけでは不足です。

次に説明する「幅広く、かつ専門的な知識」が必要になってきますよ。

資材調達に必要な知識③:幅広く専門的な知識

プロの資材購買マンには、幅広く専門的な知識が必要です。

幅広く専門的な知識というのは、T字型の知識といわれています。

T型│浅く広い知識を横軸に、1つ深く専門的な知識を縦軸に持つ人材のこと

転職市場では「シングルメジャー」とも言われますね。

他には以下のタイプがありますよ。

I型│専門性を追求したスペシャリスト

ー型│何でもできるゼネラリスト

Π型│幅広い知識の他に専門を2つ持った人材、T型がシングルメジャーと呼ばれるのに対してΠ型は「ダブルメジャー」と呼ばれています。

 

雑談に見えて、実は相手から、うまく情報を聞き出している。

これがプロの購買です。

 

幅広く浅い知識の重要性

 

相手から情報をもらうなら、コチラも何か情報を与えないといけませんよね。

資材購買担当者にどんな話題にも対応できるような幅広く専門的な知識が無い場合。

自社にデメリットになるような情報を提供してしまうかもしれません。

例)自社の内部的な話題、他社のうわさ話など

 

ですから、資材購買担当者は幅広い知識を備えておく必要があるわけです。

知識の情報源はこちらの記事を参考にどうぞ。

≫購買部長の情報収集ソース5選とまとめ方【デキる資材調達部員必見】

 

最も有効な情報ソースは以下の2つです。

≫日経BP│日本経済新聞社のwebマガジン

≫週刊ダイヤモンド│創業100年の経済専門誌

 

深く専門的な知識の必要性

 

深く専門的な知識で特に役に立つものは、工場経営に関する専門知識です。

例としてはこんな項目です。

・経営管理技術

・経営分析

・価値分析(IE/VE/VA)

・原価知識

・加工技術

・材料技術

これらの深い知識を持つと、取引先への信頼感を与えます。

プロの購買として評価されることで情報をもらいやすくなります。

 

かもかもまん
かもかもまん
さらに、取引先の営業担当に訪問してもらえる「メリット」も提供できますよ。

 

取引先が「知りたい」または「学びたい」というニーズに対しメリットを提供できます。

そうすると、おのずと訪問回数も増え、いい情報も集まるようになります。

 

つまり、幅広く深い知識をもった人材がいることで、情報が集まってくるわけです。

企業にとっても、そんな情報収集ができる人材は非常に重要です。

 

幅広く、かつ深い知識をもつT型人材は採用されやすい

 

これから求められる基礎知識:語学

 

グローバル化の流れの中で海外との取引は避けて通れないのが実情です。

現地での打ち合わせや、直接の会話、メールの作成が必要になってきています。

・英語のレベルアップに挑戦する

・挨拶や日常会話が出来るレベルまで現地語を学ぶ

かもかもまん
かもかもまん
おじさんバイヤーはこんな苦労をしています。

 

今後は語学、コミニュケーション能力が重要になります。

実際に工場や企業はアジア圏にシフトしていますよね。

なので、文系のほうがむしろ資材購買の採用ニーズが高いように思います。

 

コミニュケーション能力の高い人材は採用されやすい

 

ちなみに英語は日系企業であれば、実務ではしゃべれなくても大丈夫です。

メールベースの仕事になるので、翻訳ソフトで十分対応可能です。

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かもかもまん
かもかもまん
ただし外資系に転職する場合には日常会話のスキルは必要ですね。

 

日系企業の場合は希少な第2外国語で、挨拶や日常会話が出来ると最高です。

 

第2外国語ができる人材は採用されやすい

 

第2外国語でおすすめは以下の言葉です。

・韓国語

・中国語(台湾)

・タイ/マレーシア

人によって合う合わないがありますので、広く浅く挑戦してみましょう。

個人的には、韓国語がなじみやすいと思います。

 

・文法が日本語と同じ

・日本語と同じ言葉も多い

・ハングルは簡単(ローマ字と同じ)

・漢字もあるので、理解が早い

・韓国ドラマやKPOPの番組を見ながら楽しく学習できる

 

かもかもまん
かもかもまん
わたしも日々k-popと韓流ドラマで学んでいます!

資材調達に必要な知識④調達リードタイム

 

物を買うときには手に入るまで時間がかかります。

この時間のことを「調達リードタイム」といいます。

かもかもまん
かもかもまん
リードタイムという言葉は製造業では良く使う言葉なので覚えておきましょう。

調達リードタイムは、購入するものによって長さが違います。

・amazonでカタログ品なら次の日に届きます。

・鉄や銅のような材料なら3~6ヶ月。

・特注の梱包資材をイチから作れば1~2ヶ月。

 

かもかもまん
かもかもまん
設計や輸送のリードタイムを加えていくと、さらにリードタイムがかかりますよ。

 

リードタイムの知識は注文納期や、在庫を持つか持たないか?を決定する基準になります。

 

資材調達に必要な知識⑤在庫管理

 

在庫管理は調達リードタイムとセットで身に付ける知識です。

 

希望する納期では手に入らない場合、在庫を持たなければなりません。

在庫をどれだけ持って、どのように保管しておくのかを管理することが「在庫管理」です

 

かもかもまん
かもかもまん
在庫管理の理論はトヨタ生産方式(ジャストインタイム=JIT)や制約理論(TOC)といったものが有名です。

 

おすすめの勉強方法は制約理論(TOC)の仕組みを理解することです。

ベストセラーにもなった「ザ・ゴール」は小説形式で非常に読みやすい書籍です。

 

トヨタの創成期に書かれた大野耐一さんの「トヨタ生産方式」はトヨタと在庫理論の歴史を学べます。製造業に関係するなら必読です。

 

資材調達に必要な知識⑥海外調達の知識

 

資材調達では以下の場合に海外取引の業務が発生します。

・同じ品質で国内より海外のほうが安価

・海外からしか購入できない

・海外の自社工場からの仕入れ

海外取引特有の注意点は基礎知識として必要です。

 

かもかもまん
かもかもまん
海外取引では日本国内の取引とは異なる習慣がありリスクになります。

 

海外取引で注意すべきポイントは以下です。

・見積もり方法の違い

・為替・税法・関税

・輸送方法

・習慣・文化の違い

・調達リードタイム

・契約生産量(生産ロット)

これらのことは記事で詳細に解説しています。

≫海外調達の5つの注意点│資材調達部長が解説するポイントとリスク

 

かもかもまん
かもかもまん
特に輸送方法の違いに注意しましょう!

 

輸送費は大きな経費のひとつです。

 

新人君
新人君
見積もりのときに、輸送費を見逃して結局高くついてしまいました、、

初めての海外調達では、こんなミスをしがちです。

海外取引ではIncoterms(インコタームズ)という取引条件の統一規格があります。

取引条件ではこの国際ルールが適用されます。

 

どこの時点までが取引先の責任範囲なのか?によって輸送コストが変わります。

 

 

・Ex-factory│工場出荷まで

・FOB-Free On board│甲板渡し:荷積みされるまで

・CFR-Cost And Freight│運賃込み:指定の港まで

・CIF-Cost Indurance and Freight│運賃保険料込み:指定の場所につくまで

 

 

見積もり段階で、以下の事は確認しておきましょう。

 

・自社責任の輸送はどこからなのか?

・自社責任の輸送費にどれだけかかるのか?

・保険料金はいくらかかるのか?

 

 

資材調達に必要な知識⑦省エネ・環境対応

 

世の中の動きは常に変化しているので、法律や業界の自主規制ができることがあります。

例えば以下のような例があります。

・有害物質の使用制限⇒グリーン調達

・オイルショック⇒省エネ法、エネルギー削減

・温暖化、熱帯雨林の破壊⇒認定木材の知識(FSC認証)

 

これらは企業にとって、コストアップの要因になるので好ましくありません。

ですが企業の社会的責任(コンプライアンス)があるので守っていく必要があります。

調達担当が知らないことは、企業の社会的責任を果たす上でリスクです。

 

かもかもまん
かもかもまん
省エネ・環境対応もそんなリスク回避として必要な知識の一つです。

 

禁止物質を含んだ購買品を製品に使用した場合にはリコールのリスクがあり、有害物質を地域に流出させた場合には操業停止のリスクがあります。

場合によっては倒産の危機にさらされることもあります。

 

資材調達に必要な7つの基礎知識まとめ

資材調達7つの基礎知識まとめ

資材調達の業務に必要な基礎知識は以下のものがあります。

購買・資材調達の基礎知識
  1. 材料と加工法の知識
  2. 材料ロス・歩留まりの知識
  3. 取引の基本ルールの知識
  4. 発注先選定の知識
  5. 契約の知識
  6. 価格決定の知識
  7. 調達リードタイムの知識
  8. 在庫管理の知識
  9. 原価の知識
  10. 海外調達の知識
  11. 省エネ・環境対応の知識

この中で経験上、優先順位の高い基礎知識を特に重要な3つと、補足の4つ分けて解説してきました。

【優先度の高い3つの基礎知識】

①原価低減(コストダウン)

②交渉術

③幅広い知識と専門知識

【補足の4つの基礎知識】

④調達リードタイムの知識

⑤在庫管理の知識

⑥海外調達の知識

⑦省エネ環境対応の知識

 

購買・資材調達の基礎知識はどんな仕事にでも役に立つものばかりです。

資材調達を目指す方、これから配属される方は今回の記事を参考に勉強をスタートしてみるといいかもしれません。

そして基礎知識を学んだらさらにスキルアップしましょう。

資材調達部員がスキルアップすると、年収1000万円以上も目指せます。

参考に資材部長としてのわたしの市場価値をMIIDAS(ミイダス)の市場価値診断で測定した結果です。

MIDAS市場価値レポート
かもかもまん
かもかもまん

262社からのオファーと最高年収は1100万円でした。

平均の提案年収は678万円ほど。

具体的なスキルアップの手順は資材調達購買に必要なスキルとは?【未経験から転職する手順も解説】の記事にまとめています。

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本記事を読んで「余裕だな!」と思った方は是非取り組んでみてくださいね。