最初から「ベンチプレス100キロあげたい!」という人は少ないとは思いますが「ベンチプレス100キロ」は、憧れとともに目標にする方も多いでしょう。
でも現実は、ほとんどの人がベンチプレス100キロを達成できません。
というのもベンチプレスには、3つの壁があるからです。
①60キロの壁
②80キロの壁
③100キロの壁
たとえばボクの通っているスポーツジムでは、ベンチプレス100キロ挙げられる人は5人しかいません。(統計的にも全人口の1%しかいないそうですよ)
本記事ではベンチプレス初心者え最初のベンチで30キロも上がらなかったボクが、100キロを達成した手順をお伝えします。
100キロ挙がるというだけで自分に自信が持てますし、いろいろな人と仲良くなる事ができます。
仕事でいやな思いをしたときも「オレはベンチ100キロ挙げられるんだぞ!」というナゾの自信がストレス軽減になったり、会社の若者から尊敬されたりします。
ボクが達成したのは47歳なので年齢とかスポーツの経験は関係ないですよ!
筋トレ初心者の44歳でも1年でベンチプレス80キロ上がった3手順
ちなみにボクは筋トレ1年目の44歳で80キロを達成し、100キロ達成したのは47歳!なんと3年もかかっています。
理由は正しい知識が無かったからですね。
実際の図にすると以下の感じ。
筋トレ初心者のボクでもベンチプレス100キロ挙げられるようになったのは3つのステップで挫折しつつ、知識をインプットして乗り越えたからです。
ステップ① 初心者【30キロ】
ステップ② 成長期【40⇒70キロ】
ステップ③ 停滞期【80⇒100キロ】
ボクは3年もかかりましたけど、正しい知識があれば壁を乗り越えるのは簡単です。
初心者は30キロも上がらないけど問題なし
ベンチプレス初心者が最初にあげる事ができるのは男性でも30キロぐらいです。
バーが20キロあるのでプレートの重さは片方5キロずつ、、見た目はめちゃショボイですが、気にする必要は無いです。
筋トレ上級者ほどそのことをよく知っています。
手順1、ベンチプレス初心者【重量が伸びて楽しい】
※図の参照元:杏林書院「入門運動生理学」勝田茂 編著
上記のグラフはトレーニングの期間と筋力upの関係を表したものです。
継続していくと60キロぐらいまでは、すぐあがるようになります。
最初に重量がグンと上がるのは「神経系」という働きのためです。
筋肉自体は60キロぐらい挙げる事ができても、筋力を動員する神経が育っていないので筋肉が上手く使えていないんですね。
筋トレをはじめると、まずこの神経系が育っていくので、持っている筋力を上手く使えるようになります。
なので、実際に筋肉量は増えていなくても、ベンチプレスの重量はある程度まであがっていきます。
この時期に行うトレーニングは
・ベンチプレスのフォームの習得を重視
・重量は30キロ10回を3セット
・回数は週に2~3回
・毎週5キロずつ重りを足していく
・食事をタンパク質中心に変える
体感では、1週間に5キロずつ重さを足していっても、10回3レップがクリアしていける感じです。
筋肉がついた気分がしてこの時期が一番楽しいですよ。
ですが、神経系の成長が頭打ちになり、今ある筋力のすべてを使えるようになると、どこかで重量に限界がきます。
これが個人差はありますが、だいたい60キロぐらい。
ここからさらに重量を上げようとすれば、当然、筋力自体が増えなければなりません。
ここからが筋肉の成長に対する知識が必要なところです。
筋肉を効率的に成長させたければ、以下の3つの知識が必要です。
1、漸進性負荷原則(プログレッシブオーバーロード)
2、栄養
3、休息
簡単に言えば、限界の負荷を与える筋トレをして、よく食べて、よく寝る。
必要な栄養補給も筋トレを始めた直後から始めておくと、のちのちの筋肉の成長も早いので、ベンチプレスを始めたらタンパク質を多く採り始めるといいですね。
食事で採れない場合はプロテインなどのサプリメントも取り入れるといいでしょう。
手順2、60キロを越えたあたり【筋トレの負荷を変えよう】
神経系が発達して、今ある筋肉で挙げられる重さを越えたあたりから、1回目の「伸び悩み」がやってきます。
図では20週目の少し手前のころ、これが越えなければならないステップの2つ目。
ここからは、負荷を考えながらトレーニングをします。
・限界負荷を超える5レップを重視
・トレーニングボリューム(重量×頻度)を考える
・7回×2セット上げられる重量を10回にすることを目指す
・10回×3セットできるようになったら1.5キロプレートを足す
・タンパク質中心のオーバーカロリーの食事を心がける
・休息は十分にとる(週1~2回のトレーニング)
ここから、筋トレらしくなってきますね。
筋肉がつき始めるので、カラダの変化が楽しい時期です。
一見ツラそうに感じるかもしれませんが、このステップ2は簡単に越える事が出来ます。
なぜなら、筋トレを始めた初期は、わりと簡単に筋肉(筋力)が成長するからです。
ベテランになれば1年に1キロ筋肉が増えれば大成功ですが、筋トレ初心者は1年に10キロも筋肉を増やすことができるイメージです。
初心者は筋肉を10倍つける事ができるので、最初から正しい知識で効率的に筋肉をつけることが超重要です。
筋肉には遅筋と速筋があり、より肥大しやすいのが速筋であり、筋トレを継続すると遅筋組織が速筋組織に変化することが分かっています。
- 筋トレで筋肥大しやすいのは遅筋よりも速筋
- 筋トレを続けると速筋が増える=筋肉が大きくなる
栄養と休息に関しては以下の記事をご覧ください。
ここでは漸進性負荷原則について少し補足しておきます。
漸進性負荷原則(プログレッシブオーバーロード)
筋肉が増えるときくと、筋肉の繊維が増えると思うかもしれませんが、筋繊維は筋トレによって、そこまで増えません。
筋肉が大きくなるメカニズムは、筋肉の繊維自体が肥大しているんですよ。
その筋肉繊維を太くしていくためには、限界以上の負荷をかけ続ける必要があり、
その法則を「漸進性負荷原則(ぜんしんせいふかげんそく)」といいます。
プログレッシブ・オーバーロードともいいますね。
例えば、50キロで同じ回数ずっと筋トレしていたら、筋肉は50キロ以上の筋力が必要ないので成長しませんよね。
60キロで筋トレをしていくから、体が60キロを扱う必要性を感じて筋肉が成長していきます。
メカニズム的な話をすると、限界を超えたときに、筋肉の成長を指示する物質が出ると思ってください。
その物質が出ることで、体内の栄養(タンパク質)を筋肉に変える働きが誘発されます。
なので、もし100キロのベンチプレスを上げたいのであれば、100キロが扱える筋力に成長させなければなりません。
ココで重要なのが「負荷ボリューム」という考え方です。
筋肥大に必要な負荷ボリュームとは?
筋肥大に最適な負荷ボリュームは週に10セット前後です。
一般的には以下のパターンが考えられます。
・週1回のトレーニング:10回できる重さで10セット
・週2回のトレーニング:10回できる重さで5セット
・週3回のトレーニング:10回できる重さで3セット
負荷ボリュームを上げていくことで筋肉が肥大していきますから、重量をUPするときでも負荷ボリュームのことを考えることは必要です。
とはいえ、負荷ボリュームを上げればいいというわけではなくて、限界のレップを何回できるのか?ということも重要です。
限界を超えたときに、筋肉を成長させるホルモンが出て、筋肉の成長が促されるからです。
たとえば、50キロを10回3セットすれば、50×10×3=1500キロのボリュームになりますよね。週に3回で4500キロのボリュームです。
もし限界を超えられるのが3セット目の、最終5レップなら、週3回トレーニングをした場合、筋肥大に効果があったのは5レップ×3回=15レップです。
一方、同じ4500キロのボリュームでも、週に1回なら50キロで9セット行う必要があります。
おそらく3セット目の5レップ以降は同じ重量で限界を迎える事ができないはずです。
なので残りのセットは重量を下げて、トータルボリューム4500キロを達成しなければなりませんね。
20キロしか上がらないなら、3000キロ÷20で150回!
15レップ10セットもしなければならない上に、たぶん限界を超えないですよね?
このように、ボリューム数をキープしながら、いかに限界を超えられる5レップを稼げるか?を考える事がとても大事です。
負荷は必ずしも重量というわけでなく、インターバルの長さとか、回数、フォームなどでも上げる事ができます。
逆に重量をあげても同じフォーム、同じ可動域で行えなければ効果は半減なので注意してください。
手順3、90キロ【筋トレのやり方を変えよう】
成長期を終えて、80キロが3回~5回あがるようになってきたあたり、マックスで言うと90キロを越えるあたりで停滞期がやってきます。
図で言うと50週目あたり、ちょうど1年経ったころですね。
順調に伸びていた重量が突然ぜんぜん延びなくなる時期がきますが、このときに正しい方法をおこなわないと、ボクのように3年も停滞期をすごすことになっちゃいます。
個人的にはこのあたりが独学の限界かなと思っています。
一番手っ取り早いのは、パーソナルトレーニングを頼んでプログラムを組んでもらうことですが、やや敷居が高いです。
そこで、この停滞期を脱するための結論が「非線形ピリオダイゼーション」トレーニングです。
非線形ピリオダイゼーションとは?
簡単に言うと、その日の体調や気分で扱う重量と回数を変えて、筋トレの停滞を打破する方法です。
停滞は「カラダの慣れ」から生まれています。
決まったトレーニングプログラムを続けていると、カラダが慣れてしまいます。(この決まったプログラムを「線形のピリオダイゼーション」といいます)
そこで、カラダに新しい刺激を与える目的でトータルのボリュームは変えずに、重量とレップ数を変えて刺激を変えてあげます。
例えば75キロを10レップ3セットしていたなら、以下の4パターンに分けます。
重い日と軽い日の2パターンでも十分ですが、ベンチが空いてないこともあるので、4パターンあったほうが応用が利きます。
1、75キロ10レップを3セット=2250キロ
2、90キロ3レップを5セット=2150キロ
3、60キロ12レップを3セット=2160キロ
4、45キロ15レップを3セット=2025キロ
上記をその日の体調とか、トレーニングできる時間に合わせて変えていくと、また重量がUPしていきます。
停滞期を抜ければ、2~3ヶ月で100キロ達成できます。
↓実際にボクがおこなった体験記も参考にどうぞ!
70キロを超えたらリストラップを購入しましょう
手首が貧弱だと70キロを越えたあたりから手首への負担が大きくなってきます。
停滞を脱却するために科学的なトレーニングメニューを組む場合には、3回が限界の重量を上げる週もあるわけで、その場合には90キロ、5セットを上げなければなりません。
「手首が痛くなってトレーニングメニューが消化できない!」
こんな経験をするはずです。
怪我をしてしまったら半年はベンチができなくなってしまいますから、リストラップは初心者でも絶対に購入したほうがいいですね。
お値段は安いので2000円~3000円ぐらい、いいもので8000円ぐらいです。
ボクの経験では、最初にいいものを買っておいたほうが最終的には安く済みます。
リストラップを選ぶポイントは長さと強度です。
長さ:30センチから80センチ程度まであり、長いほうが後悔しないかと
強度:頻繁に洗濯して使うので、いいものを買っておいたほうが長持ちします
参考に、ボクが使った中では以下の2つがおすすめです。
・スリングショット社のGangstaラップ
・SBD社のリストラップ
ウエイトリフティング用のギアを提供する会社で、これなら絶対に失敗しません。
個人的には、かなりがっちり巻けるスリングショット社のGangstaラップが使いやすいです。
ソフトな巻き心地を好むならSBDのリストラップを選ぶといいと思います。
スリングショット「Gangstaラップ」約8,000円
最初からループを作って手首に巻くタイプなので、肘のサポーターとしても使えますよ。
ボクはアームカールをするときに肘が痛いので、肘のサポーターもかねて使ってます。
SBD製リストラップ 6,100円
【女性向け】ハービンジャー製リストラップ
長さは女性でも40センチ以上の長めのものがオススメです。短いものは、サポート力が弱めなので、重量が上がってくると物足りなくなりますからね。
【女性向け】シーク製リストラップ
まとめ
ベンチプレス100キロは正しくトレーニングを継続すれば誰でも達成可能です。
「ベンチが100キロ上がる!」という自信はトレーニングだけでなく、仕事やプライベートにおいても特別なメリットがあります。
そして、何よりジム通いでトレーニングを続ける行為そのものが大きなメリットです。
・友達が増える
・いきいきと爽やかに人生を楽しむ事ができる
・新しくできることが増える
このあたりは以下の記事で解説していますので、これから筋トレをしていきたい方は参考にしてみてください。
ベンチプレスに伸び悩んだときは「47歳でもベンチプレス100キロ達成した方法│伸びない原因は3つある」の記事を参考にしつつ、諦めずに継続してくださいね。
本記事は以上です。