筋トレを始めた人:「筋トレをはじめたら健康診断で肝臓とか腎臓とかの数値異常が!筋トレで健康になるはずが、健康診断の数値が悪くなっているのはなぜ?不安です。」
こんな不安を解消します。
本記事の内容
・ジム通い5年間の体型変化と健康診断数値の推移を公開します
・よくある疑問│健康診断で肝臓・腎臓の数値が異常になる理由
・まとめ│運動して不健康になることはありえません
本記事を書いているボクは筋トレ歴7年目の40代です。
ボクも筋トレを始めた年の健康診断の数値が異常値になって、不安になった一人です。
記事では、同じように筋トレで健康診断の数値の変化が不安になった方が安心いただけるように、ボクの健康診断数値を公開しています。
あわせて、数値が異常になるメカニズムやリスクも説明していますので、読んでいただくことで、あなたの不安が解消されるでしょう。
【検証】健康診断の数値悪化はジムの筋トレとプロテインが原因なの?
結論から言いますと、運動をして不健康になることって、そう無いので安心してください。
数値が上がってしまうのは、筋トレしていればこその変化ですから、むしろいい変化ですよ。
とはいえ、健康診断で「要注意」のマークとか「H」のマークが赤文字で記されると不安になりますよね。
特に40代で数値が変化すると「ほんとは何か悪いんではないか?」とさらに不安になります。
ぼくも5年間の筋トレで、以下の項目が変化しました。
・メタボ検診に引っかかった
・尿酸値が上がった
・ASTやALTの値が上がった
・クレアチニンの値が上がった
記事の基礎データ
今回の記事で使ったぼくの基礎データです。
年齢・性別:46歳男性
身長:172センチ
運動経験:大学卒業後20年以上運動経験なし
職業:デスクワーク
ジムの経歴:5年目(現在は8年目)
トレーニング履歴:ウォーキング→スタジオレッスン→筋トレ
ジムでの運動強度の推移は以下のとおり。
41歳~42歳(最初の1年間):週1回のジムで雑魚レベル
43歳~45歳(中間の3年間):週2~3回の軽い筋トレと有酸素運動
45歳~46歳(最近の1年間):週4~5回でベンチや懸垂など筋トレ主体
なお、45~46歳時はバルクアップ期なので結構食べていてダイエットはしてません。
筋肉量が増えたら筋トレ前よりも体重が重くなるのは当たり前です。
体重ばかりを気にしていると「体重が増えたらまずい!」となりますけど、筋肉は脂肪よりも重いので、体重が増えるのはむしろOKです。
体重と体脂肪率│20代の体型に戻る
筋トレによる体型変化は、当たり前ですが良化しました。
体脂肪率が下がって体重が増加し、やや肥満の中年太りから20代の体に戻りました。
・やや肥満→筋肉質
・体重:70kg→72.3Kg
・体脂肪率:21.2%→15.4%
・腹囲:81.5Cm→77.5Cm
体重と体脂肪の実績値の変化
身長172 | |||
体重 | 腹囲 | 体脂肪率 | |
41歳 | 70 | 81.5 | 21.20% |
42歳 | 67.7 | 76 | 20.10% |
43歳 | 68.7 | 79.5 | 20.30% |
44歳 | 68.8 | 78 | 18.80% |
45歳 | 69.2 | 76.5 | 16.40% |
46歳 | 72.3 | 77.5 | 15.40% |
筋トレとジム通いを続けていると、モテ体型の締まった身体になりますよね。
実際の写真はこんな感じ。しょぼいけど引き締まりました!
筋トレ前より不健康なはずがないのかな?と思います。
ただ、筋肉を急に増やすとメタボ検診で引っかかるんですよね。
じっさいBMIが高いからという理由で、毎月健康保険センターから調査のメールは来るし、アドバイス診断はあるし、そっちのほうがストレスてした……
次に血液検査のデータをまとめていきます。
血液検査の結果│中性脂肪が激減
血液データも良化しました。
・中性脂肪が半減
・悪玉コレステロールが減って善玉コレステロールが増加
注※近年ではコレステロールに悪玉も善玉もない事が証明されています
注※46歳時はバルクアップ中でわざと太っているので45歳時を採用してます
注※46歳時のバルク期でも中性脂肪の基準値は30~149ですので基準内でした
ポイントは中性脂肪が減っているところ。
つまり、太りにくいカラダになっているってことですね!
血液検査の実績値の変化
身長172 | |||||
血糖値 | 中性脂肪 | HDLコレステロール
(善玉) |
LDLコレステロール
(悪玉) |
総コレステロール | |
41歳 | 86 | 130 | 42 | 123 | 194 |
42歳 | 90 | 108 | 46 | 108 | 179 |
43歳 | 96 | 144 | 49 | 108 | 183 |
44歳 | 83 | 75 | 64 | 82 | 171 |
45歳 | 84 | 73 | 69 | 70 | 162 |
46歳 | 93 | 116 | 63 | 74 | 163 |
【間違えた常識】コレステロールに悪玉も善玉も無い
以前は悪玉コレステロールはダメとされてきましたが、近年ではコレステロールに善玉も悪玉も無いとされています。
厚生労働省も間違いを認めたように、両方が身体に必要なコレステロールですし、善玉でも悪でも、どちらも値が増えると、脂質異常症の原因になります。
ですから、悪玉を減らす食事を気をつけるのではなく、総コレステロールを減らすことが、生活習慣の改善になります。
脂っこい食事を控えて適度に運動をするといいのですが、当たり前すぎですね。
そもそも論として「コレステロールは動脈硬化に心配だよ!」とされてきたんですよね。
でも、血液検査は静脈から採取してるわけなので、かなり根本的に疑問の残る論だったわけです。
くれぐれも「悪玉コレステロールを減らす」みたいな商品には、お金を使わないようにしましょう。
腎機能測定の結果
筋トレをしたことで、腎機能の数値は値としては悪化します。
ですが、悪化する理由がありますから、そこまで心配ありません (注意は必要)
筋トレで腎機能の値が悪化する理由は以下のとおり。
・クレアチニンの数値が悪化(基準値1.0を超える)
・尿酸の数値は変化なし
腎機能の測定値の変化
身長172 | ||
クレアチニン | 尿酸 | |
41歳 | 0.86 | 6.3 |
42歳 | 0.82 | 5.6 |
43歳 | 0.84 | 6.1 |
44歳 | 0.84 | 6.9 |
45歳 | 1.02 | 5.6 |
46歳 | 1.04 | 5.9 |
※基準値は1・0以下です
筋トレ中心の運動に変更した45歳時から急に悪化しています。
基準値を上回ってくると腎臓機能が心配になりますよね。
でも、数値が上がるメカニズムがわかると少し安心できます。
筋トレとクレアチニン値の関係については次項で説明します。
各種論文や書籍で調査したので、信頼性は高いかと。
筋トレによるクレアチニン値の上昇が心配ない理由
まずはクレアチニンとは?という部分から、次に筋トレの関係性について説明します。
そもそもクレアチニンとは何でしょうか?
クレアチニンはクレアチンリン酸の代謝物です
クレアチンリン酸は筋肉が運動するためのエネルギー源となる物質です
クレアチンリン酸が細胞で代謝されたあとにできる老廃物がクレアチニン
クレアチニンは血液を通り、腎臓でろ過されて尿として排出されます
尿として排出されないものは血中に残りますので、血中のクレアチニンの濃度が上昇している=すなわち腎臓の機能が低下していることを意味します
上記のとおり。
一般的な人であれば血中クレアチニンの濃度上昇は腎機能の障害を疑いますよね。
でも、筋トレを日常的に行っている場合はどうでしょうか?
答えは筋トレによって腎機能の上限を超えた分のクレアチニンが血中に存在しているだけでした。
つまり、心配は無用です。
筋トレでは筋肉に強い負荷をかけるので、大量にクレアチンリン酸が消費されています。
すると、クレアチンリン酸の代謝物である「クレアチニン」の濃度も上がります。
筋トレとクレアチニン値の上昇で注意すべき点
筋トレによる影響でクレアチニン値が上昇するメカニズムは理解できましたが、まったく無視するのは間違いです。
理由は2点あります。
・腎臓が酷使されてる
・血液のろ過機能がある
酷使しすぎはよくない
筋トレは血液中に処理しきれないほどのクレアチンリン酸を排出します。
腎臓はそのとき常にマックスの状態で働いています。
常にマックスというのは危険な状態ともいえますよね。
なので、適度な休息をとって腎臓を休めることも必要です。
当たり前ですが、筋トレもやりすぎは良くないということですよね。
適度な休息は、筋肉の疲労を取るだけでなく、腎機能の維持という面でも重要です。
腎臓の血液のろ過機能【水分の調節機能】
腎臓にはクレアチンリン酸を分解する働き以外に以下の機能があります。
・血液をろ過して体内のイオンバランスや体液量を調整する
・塩分と水分を調節して血圧を調整する
・血液を作るホルモンを出す
・ビタミンD(骨の材料であるカルシウムを吸収させるビタミン)を作る
なので、有酸素運動で大量に汗をかき続ける人も腎機能の障害に注意が必要です。
良質な水を摂取しないと、腎機能に障害が起こったり結石ができるという論もありますからね
ここは余談です。
ボクのジムにも飲み水に「強いこだわり」のある人がいますよ。
なぜなら「過去に腎機能障害(早期がん)を経験しているから」とのこと。
脅かすわけではないですが、注意は必要ということです。
では次に肝機能の数値を見ていきます。
肝機能の数値
筋トレにより肝機能の値が悪化しましたが、心配ありませんでした。
・AST(GOT)ALT(GPT)が基準値(30以下)を超えて悪化
・悪化したのは筋トレ中心に変えた45歳以降
肝機能数値の変化
身長172 | ||||
AST(GOT) | ALT(GPT) | γGDP | ALP | |
41歳 | 19 | 26 | 25 | 185 |
42歳 | 16 | 15 | 18 | 187 |
43歳 | 19 | 21 | 22 | 178 |
44歳 | 20 | 17 | 16 | 245 |
45歳 | 31 | 36 | 19 | 257 |
46歳 | 30 | 43 | 22 | 230 |
※ちなみにお酒は飲みません
肝臓は沈黙の臓器とも言いますし、基準値を超えると心配になりますよね?
でも、結論的にはそんな心配も無用でした、
筋トレでAST(GOT)とALT(GPT)が上昇する理由
そもそもAST(GOT)とALT(GPT)とは何か?という部分を調べると、不安も無くなります。
以下のとおりです。
・AST(GOT):肝臓・心臓・骨格筋に存在する酵素
・ALT(GPT):肝臓・骨格筋に存在する酵素
一般的には、AST(GOT)やALT(GPT)の血中濃度が高い状態は、肝臓に存在するはずの酵素が血液中にあふれちゃってる状態と判断されます。
なので、健康診断的には肝臓に異常がある状態という事になりますね。
しかし、筋トレしている状態はどうなのか?を考えると話が変わってきます。
もう一度見てみましょう。
AST(GOT):肝臓・心臓・骨格筋に存在する酵素
ALT(GPT) :肝臓・骨格筋に存在する酵素
骨格筋=つまり筋肉の中にもこの酵素は存在していることになります。
筋トレをハードに行うと、筋肉も常に破壊されている状態なので、血液中にASTやALTもあふれ出している状態になるといえます。
つまり、結論は以下のとおり。
・筋トレで骨格筋からあふれた分の数値が上がっているだけ
・肝臓からあふれているわけではないので、肝機能に異常があるわけではない
とはいえ、カラダは酷使されているので、適度な休養は必要かなと。
この章のエビデンスとして以下の記事を参照しています。
【間違えた常識】プロテインを飲んでも肝臓は悪くならない
「プロテインを飲んでると肝臓が悪くなるぞ!」という言葉を聞いたことはありませんか?
実はこれも根拠がないです。
筋トレ後にプロテインを常飲していた人が健康診断で肝機能の値が悪くなって心配になった……。というのが真相でしょう。
事実は、筋トレで筋肉が破壊されてASTやALTの数値が上昇しただけの可能性が高そうです。
そもそも、ホエイプロテインはヨーグルトでいうと上澄みの部分で、単なるたんぱく質にすぎないので当たり前です。
筋トレで筋肉をつけたいなら、たんぱく質は積極的に摂るべきですし、食事でとれない場合はプロテインで足りない分を補給したほうが、むしろ健康的かと。
たんぱく質の過剰摂取により肝機能に障害をきたしたエビデンスは今のところ存在しません。
たんぱく質は積極的に摂取したほうが健康に良いというのが現在のエビデンスつきの常識となっています。
なお、上記のエビデンスを論文で読むことが難しければ、書籍でエビデンスつき解説があります。
↓ボクも勉強した本です。他の本は必要ないぐらい有益です。
まとめ
ポイントをまとめると以下の結果になりました。
・筋トレで健康診断の数値が悪化することあるが原因ではない
・中性脂肪が激減する(太りにくくなる)
・コレステロールの数が減少する
・腎機能の値の上昇は心配なし(休養は必要)
・肝機能の値の上昇は心配なし(肝機能との因果関係すらない)
健康診断の数値の悪化は誰でも気になります。
でも、よく考えると筋トレやジム通いを始めて、生活に運動を取り入れたことで体の調子が悪くなるなんてコトは普通ないですよね。
筋トレは健康だけでなく、ビジネスや人間関係においても良い効果がある事が知られています。
例えば、有名な社長やビジネスマンは必ず筋トレやワークアウトを習慣にしています。
健康診断の数値はタダの数字に過ぎませんし、まして体質は人それぞれです。
中身を理解すれば、少しの数値のオーバーを恐れる必要はありません。
どうしても心配なら、医者に聞けば問題なしです。
なにより、せっかくいい運動習慣をはじめたのに「やっぱり心配だし、筋トレやめようかな」では、もったいないですよ。
医者に行くほどでもないのであれば、プロのパーソナルトレーナーに聞ける環境を作っておくのもアリかなと。
知り合ったトレーナーとライン交換しておけば、いつでも質問できます。
なお、ぼくも過去に複数のジムに入会しているので、心配なときはトレーナーに聞くようにしています。
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特に業界大手の「RIZAP(ライザップ)」はマツケンサンバの松平健さんのCMでもおなじみですね。
高齢者専用のトレーニングプランがあったり、医師との提携や、医療機関との共同研究もしているので安心できます。
なお、「パーソナルジムは料金が高いし、近くにジムがない・忙しくて通いづらいんだよね」という方なら、オンラインでも問題なしですよ。
例えば「プレズ<Plez>
※無料サービスもあるので気軽に受けられます。
それでは本記事は以上です。
ボクはジム通いと筋トレで人生が好転したので、健康診断の数値が悪くてもジム課金を継続していきます!