資材調達/購買部員に求められる能力とは何か知りたくありませんか?
この記事では現役の購買部長でもある筆者が、部下に求める能力を2つ厳選しました。
・資材購買の仕事にはどんな能力が必要?
・お金がかかわるから完璧主義じゃなきゃダメ?
・実際に仕事をしている人の意見を知りたい
こんな疑問を解決します。
資材購買は大きなお金を動かすので完璧主義が求められると思うかもですが、実はそうではありません。
残念ながら、どんな仕事であっても完璧主義の人はかならず行き詰ります。
もしあなたが以下の状況に苦しんでいるなら、とりあえず完璧主義をやめてみましょう。
・仕事がたまりすぎる
・大きな問題が起こる
・常に残業
・他人に迷惑をかける
・会社から信頼されない
・自分自身がうつ病になる
完璧主義を捨てて、本記事で紹介する2つのことを身に付ければ、資格なんかなくてもOK!誰でもバイヤーとして成功できますよ。
資材調達購買の仕事に必要な能力は優先順位とクイックアウトプット
資材調達購買の仕事に必要不可欠な能力は2つあると思っています。
- 優先順位をつける力
- クイックアウトプット
なぜなら、課題が次から次へと雪のように降ってくるからです。
課題は、大きな案件から小さな案件まで、さまざまです。
上を見上げれば雪がいっぱい、ほうっておくと足元に積もっていく。
こんな状況が資材調達購買部員の日常です。
資材調達購買に必要な能力1:優先順位をつける力
資材購買調達の仕事に必要な能力のひとつは優先順位をつける力です。
資材調達購買の現場では課題が次から次へとやってくるので、来た順に仕事をこなしていたのではパンクしてしまいます。
また仕事が遅いと、他人に迷惑をかけることにもつながります。
責任感が強い人だと責任を感じすぎて、自分がうつ病になっちゃうこともありますからね。
自分にも、他人にも迷惑をかけないためにも、優先順位をつけられる能力は超重要です。
仕事に優先順位をつける手順
優先順位をつけるコツは「重要度」と「緊急度」で順位付けすることです。
手順は以下のとおり。
手順1:目の前の仕事を図の①から④の4つに仕分ける
手順2:①>④という優先順位をつけて仕事を片付ける
簡単ですよね。
上級者向け:優先順位の高い仕事を減らすしくみつくり
①の「重要で緊急」という優先度の高い仕事自体を減らしていくと、資材購買の仕事はグッと楽になります。
なぜなら、ほとんどの人が①「需要で緊急」と②「重要ではないが緊急」という仕事に時間を使い、毎日を浪費しているからです。
そんな中で、あなただけは③の「重要だけど緊急ではない」仕事をなるべく多くこなしてみてください。
③の「重要だけど緊急ではない仕事」は将来のあなたを「楽」させる投資のような仕事です。
具体的には「しくみつくり」とか「自動化」になるかと思います。
上記の仕事はやればやるほどに積みあがって、あなたのスキルと環境をよいものにしてくれますよ。
- 普段の雑務=付加価値の低い事務処理
- 仕組みつくり=付加価値の高い仕事
上記を意識して毎日の仕事に取り組むといいですね。
「重要で緊急」という仕事は、じつは付加価値が低い仕事です。
というのも上記は時間が過ぎれば消えていく仕事だからでして、たとえば「納期管理」の仕事は製造業において重要ですが、品物が到着してしまえば終わりですよね。
毎日付加価値の低い仕事ばかりをしていたのでは、いつまでたっても楽にならないし、スキルアップもしません。
なので、付加価値の低い日常業務自体を減らしていく「しくみつくり」を意識して、仕事をしてみましょう。
なお、このあたりの体験談は「調達購買部の納期管理の理想はゼロ管理│実務は楽しいけど成長しない」の記事でまとめています。
資材調達購買に必要な能力2:クイックアウトプット
成功したいなら、完璧主義は捨てましょう。
資材購買の仕事に完璧主義は必要ありません。それどころか、むしろ害になります。
なぜなら、購買の仕事はほぼアウトプットだからです。
- 発注
- 納期回答
- 見積もり
そしてアウトプット先は、以下のとおり。
- 発注 ⇒ 取引先
- 納期回答 ⇒ 生産管理
- 見積もり ⇒ 営業
後工程はダイレクトにお客様ではないわけです。
お客様に対してミスが多いのは問題ですが、社内や仕入れ先なら多少のミスは許されます。
逆に完璧主義を求めてしまうと遅延するので、最終的にお客様にも迷惑をかけてしまいますよね。
なので、資材購買のアウトプットは完璧主義よりもクイックさが求められます。
そんな疑問がありそうですが、完璧主義は必要ではありません。
なぜなら検収業務が遅れると支払い金額が確定しないので、経営者の事業判断が遅れるからです。
- 締め後3~5日で支払い金額を確定させ、
- すみやかにキャシュフローを経営者に報告する
1円をミスらない購買マンより、上記ができる購買マンの方が評価されます。
検収というのは、納品された品物と伝票に対して検証して、支払いを確定させる業務の事です。
たとえば、月末に締めた場合は月初からスタートします。
なお、資材購買はお金をお支払いする立場なので、少しぐらい間違えても融通が利きます。
取引先が一部上場企業の場合は市場に対する責任が生じるため、完璧さを求められることもあります。
取引先が上場企業でない場合、たいがい次月調整でOKです。
最も完璧さが求められそうな検収においても上記のとおりですので、資材購買の仕事に完璧主義が求められる仕事はありません。
資材購買は80点ぐらいでクイックアウトプットする能力が超重要です。
アウトプットの量と質はどちらが大切か?
これはもう、圧倒的に量のほうが大事。
仕事においても、まずは量が優先。質はあとから改善したらOKです。
資材購買も、できる人ほど、たくさんアウトプットしています。
例えば、見積もりも一回出してみて、顧客の反応を見ながら改善していけばいいわけで、最初から完璧なものを出したとしても、成長につながらないですよね。
アウトプットが多い=改善の機会が多い
そんなわけで、数年後にどちらが優れた資材購買スキルを身につけているかは明白です。
なお、効率的にインプット→アウトプットする手順は「デキる購買マンは使ってる!市場情報の入手先5選│まとめ方も解説」の記事にまとめています。
上手にアウトプットするコツ
クイックアウトプット+相手の立場も考えられる
資材購買には上記の人材が最強です。
いくらクイックアウトプットが大事といっても、アウトプットしたことに対して、問い合わせが多くなってしまうと、逆に仕事が増えてしまいますからね。
・アウトプットした先の人の立場を考える
・アウトプット後の質問を先読みする
上記を気をつけると、あなたの評価がグッと上がるはずです。
アウトプットは自分のためにやる
アウトプットは「知識の定着=知恵」につながります。
というのも、アウトプットする前に、いったん頭の中で体系化する必要があるからです。
たとえば、最近ではインプットしたら、会社の朝礼ですぐにアウトプットしていますが、これも知識の定着率が高いように感じます。
インプットばかりで頭の中だけで覚えていた頃は、本のどこに書いてあったかだけを覚えていて、本を見れば分かるという状態だったので、大きな進歩ですね。
なお、最近ブログを書いていて気がついたことですが、ブログはアウトプットの最強ツールですね。
ブログはノーリスクですし、簡単に始められて、うまくいくと副業収入にもなるメリットもあります。
会社員としてのスキルアップもできて、副業収入にもなるので、人生を変えていくには最適ツールかなと。
簡単!40代サラリーマンの副業にブログが最適な理由│始め方も解説
インプットのコツ
インプットのコツは知りたいことだけ調べることです。
たとえば本を読むときには、知りたい場所だけ読めばOK。
知識を得ることにフォーカスした人の本の読み方は以下のとおり。
- 何が知りたいかを決めてから、本を読む
- 目次をまず見る
- 知りたいところだけ読む
- 本に書き込み(付箋・折り目)をしまくる
これだけでインプットの効率はグッと上がるはずです。
なんか細切れで不安になるかもですが、細切れの点と点があるとき1本の線に繋がる瞬間が訪れるから大丈夫です。
点をたくさん集めると、1本の線になりますよね?知識も同じです。
はじめから大きく学んで行動できないぐらいなら、行動しつつ少しを積み重ねたほうが成長が早いですよ。
まとめ│目的と手段を間違えると成功しません
目的と手段を間違える人は、仕事が出来ない人になりがちです。
たとえば、本を最初から全部読む人は、本を読むことが「目的」になっちゃっています。
資材購買の仕事の目的は「優先順位」と「クイックアウトプット」ですから、決められた就業時間の中で、いかに課題をクリアしていけるのか?が重要ですよね。
工場はモノを加工しますが、間接部門は情報を加工するのが仕事。
不良は極力少ないほうがいいですが、完璧さを求めるとコストも時間もかかりすぎです。
資材調達/購買の仕事に完璧主義は不要です
完璧主義というのは、何かする時に完璧にしないと駄目っていう考え方ですよね。
教科書のそのページを完璧に理解するまで、次の1ページに進めないタイプの人です。
完璧なコンディションで完璧な環境でないと行動ができない人は、挫折や成功の経験が少ないので「世の中には自分の思い通りになることのほうが少ない」ことが理解できません。
・すべての条件が整わないと行動できない
・手段と目的の区別を間違える
上記は、資材購買の仕事ではダメダメな思考です。
アウトプットできない人材は将来リストラの対象かも
インプットばかりしてアウトプットが遅い人は、知識はあるけど、自分で考えられない人になりがちです。
なぜなら、知識+行動=知恵だからです。
知識と行動が合わさって、自分で考える力になりますからね。
・インプットのみの人⇒本を見ればできる人材
・アウトプットする人⇒自分の言葉で発信できる人材
上記のとおり。
自分で考えられない中堅社員のままだと、これからの時代リストラの対象かもですよ。
このあたりに気づかない社員はちょっと危ないかなと。
学んだことはすぐにアウトプットする癖をつけよう
クイックアウトプットは知識の定着のためににも有益です。
なお、アウトプットは「行動すること」で生まれます。
「行動すること」がなにより重要です。
実際に、30代はくすぶっていたわたしも、行動し続ける人生にしたらグッと人生が好転しはじめました。
繰り返しますが、事実として「行動が出来ない=アウトプットが出来ない人」は将来のリストラ対象です。
少しの行動が未来を変えると真剣に思っているので、この機会に少しだけ行動してみませんか。
本記事は以上です。