・購買業務を効率化して、必要な仕事に注力したい
・残業ゼロで働き、自由な時間を増やしたい
そんな悩みを解決する記事です。
本記事の内容
・購買事務の効率化ツール3選
・残業ゼロで働くための3手順
・IT化すると場所を選ばず働けます
本記事を書いているわたしは、製造業の資材調達購買部で働いて25年の部長職です。
まだポストイットを切り貼りしてガントチャートを作っていた時代から、IT化が進んだ今も購買職として実務をしています。
わたし自身25年間効率化してきたおかげで、もちろん残業ゼロですし、部下には週4日勤務で残業ゼロで働いてもらっていますから、信頼性はあるのかなと。
本記事では、そんな背景の筆者が、個人が残業をゼロ化する方法を泥臭く解説していきます。
わたしの部署では製造業の購買部では珍しく在宅ワークも実現できていますから、通勤や長い就業時間に悩む人生から解放されたい方は、参考になるところがあるのかなと。
資材調達・購買事務の効率化ツール3選と導入手順│残業ゼロの働き方
まず、仕事は自分でコントロール可能なものとそうでないものに分けられます。
コントロール可能な領域が増えると仕事は効率化できるから、以下の2点が最重要です。
①自分でコントロール可能な領域を最大化して自動化
②自分でコントロールできない領域は簡素化
購買の仕事は自分でコントロールできる部分を最大化できるから、残業ゼロや在宅ワークが可能です。
システム化だけをしても楽にならない
よくある勘違いは、業務をシステム化すれば仕事が楽になると考えることです。
システム化さえすれば効率化できるかといえばそうではありません。
メンテンナンスや実際業務との差の改善に時間をとられた上に、何も改善できてないという会社は多いです。
過去のわたしも出来合いのERPシステムを導入して、身の丈に合わず消耗しました。
効率化して仕事を減らすためには、まず改善の4原則の理解が必要です。
・なくせないか(排除)
・減らせないか(単純化)
・入れ替えられないか(交換)
・簡単にできないか(自動化・簡素化)
要するに、あなたが面倒くさいと思う業務を「単純化」「自動化」「簡素化」すればOKです。
じゃあ実際に、何をしていくのか?というと以下の3つです。
①単純化=デジタル化(DX)
②自動化=システム化
③簡素化=WEB化
上記をどのようにやっていけばいいのか?を順番に解決していきます。
残業ゼロで働くための3手順
残業ゼロにするための効率化の3手順は以下のとおり。
手順①:自社の全社標準・部門標準・課標準を読みまくる
手順②:自分の好きなように変えられるプロセスを増やす
手順③:自動化してしまう
手順① 自社の全社標準・部門標準・課標準を読みまくる
自分でコントロールできる範囲を増やした社員だけが、自分の都合のいいように業務を効率化できます。
自分の仕事の役割とか、手順を知らなくてどうやって効率化するんですか?
- どんなプロセスで進むのか?
- どんなミッションがあるのか?
- インプットとアウトプット、成果指標は?
とはいえ、会社は組織なので自分の都合だけで効率化はできないですよね。
流れを把握するには、社内の規定を読み込めばOKです。
ISOを取得している会社なら、職務権限規程・プロセス管理表(または業務手順書)がありますし、ISO16949を所得していれば、タートル図があるはずです。
タートル図は以下のようなもの。(クリックで拡大します)
プロセスのインプットとアウトプット、成果指標がまとめられているので便利です。
この作業は転職で新しい職場に行った時も同じです。
自分がコントロールできる領域を増やすと、仕事はぐっと楽にできます。
手順②:自分の好きなように変えられるプロセスを増やす
仕事の流れを理解したら手順書を作成できる立場になりましょう。
手順書は上長が作るものですが、権限委譲してしまえば問題なしです。
手順を考えるスキルは簡単に手に入ります。
①本を読む
②取引先に聞く
③セミナーに参加
上記のとおり。
あるべき姿に近づけることで、自動的に標準化できるようになります。
あるべき姿の目指し方
あるべき姿とは「なりたい姿」と言い換えてもいいですね。
最初は2Sから始めると、うまくいきやすいです。
2Sは5Sの中の「整理」と「整頓」の部分です。
整理:いるものといらないものを分けて、いらないものを捨てる
整頓:いるものの置き場を決めて表示する
他の部分は「清潔」「清掃」「しつけ」。頭文字をとって「5S」です。
注※いらないものは思い切って捨てることが重要ですが、ここは経営者や上長の理解が必要です。
手法としては「モノと情報の流れ図(バリューストリーミングマップ)」が有名です。
・現状のモノと情報の流れを図解化
・理想の姿を図解化
・現状と理想のギャップを埋める方法をロードマップに落とし込む
上記は基本ですから、書籍も合わせて読んでおくとスキルとして役に立ちます。おすすめの書籍はこちらをどうぞ。
なお、上記の書籍は「工場管理」の別冊だったりしますから「工場管理」を購読すると、自動的にスキルアップできます。
個人で購読すると高価ですが、会社に取ってもらえば無料です。
手順③:自動化してしまう
簡単な例ですが、エクセルのマクロを使って自動集計にしたり、よく聞かれる質問を社内システムで閲覧可能にしておけば、余計な仕事に時間を取られなくなりますよね。
- 月末在庫のリスト
- 成果の推移グラフ
- 地金推移と支払い影響
エクセルのマクロ計算は業務効率化するうえで便利ですから、有益なスキルです。
YOUTUBEでも無料で勉強できるのでサクッとみておきましょう。
なお、システム化で自動化できる購買の管理業務の例は以下のとおり。
- 納期管理
- 在庫管理
- 取引先管理
きちんと社内標準を読み込めば、ムダな業務はかなりあるはずです。
購買の事務作業のほとんどが自動化できるから、仕組みさえ作ってしまえば、あとは部下に任せておけばOK。
WEB化すれば在宅勤務も可能
購買の仕事はWEBシステムを使えば「受発注~回答~検収まで」自動化可能です。
- 注文書の発行
- 納品書の照合
- 納期回答
- 不具合連絡の回答状況
- 不具合現品の処置状況
- 取引先工場の負荷状況
自動化に必要なもの
原単位データーを集めるのは大変ですが、最優先にすべき仕事です。
なぜなら、将来のあなたを楽にする仕事だから。
もし、今の会社にデータが無かったら大チャンス!確実に業務を効率化できます。
- 購入単価
- 1個当たり使用量
- 調達リードタイム
- 購入ロット
- 為替
- 地金単価
- 棚卸データ
要素ごとにデータベースを構築するのは最初はしんどいですが、作ってしまえば在職中ずっと簡単なメンテナンスだけで、ルーチン業務が完結できます。
メンテナンス作業もアシスタントにお願いしてしまえば、新規開発に時間を使っていけるから、あなたの仕事はどんどん楽になっていきます。
なお、このあたりの情報システムの基本はBOMの本、情報システムの本を読んでおくと理解が早いです。
プログラミングスキルがなくてもOK
システム部が作ってくれますから、プログラミングができなくてもOKです。
たとえば「システム化依頼書」のような文書を作って、以下のような概要図を添付できるレベル感で十分です。
↓WEBシステム概要図 ※クリックで拡大します。
とはいえ、プログラミングの基礎理解はあったほうがエンジニアとの話が早いです。
まずはTouTubeではじめてみて、わからない部分ができたら「テックアカデミーの無料期間」に解決するとムダがないです。
エンジニアになる道もあり
ここは完全に余談かもですが、独学を進めて「プログラミングのほうが向いているな?」と感じたら、エンジニアにジョブチェンジもありかなと。
理由は以下のとおり。テック系エンジニア以外の職種は試合終了の可能性が高いからです。
・IT分野しか成長しない
・製造業の第4次産業革命
実際にわたしの部下もプログラミングを学ばせたら、テック系の会社に転職していきましたし、プログラミング学習をきっかけに社内SEの道に進む同僚も多かったです。
IT分野しか成長しない
現実に世界の時価総額ランクを見れば明らかです。成長が見込めない会社は株価も
伸びないですよね。
IT化=人がいらないです。
製造業においても、IT化が進むと、きつい仕事は機械がやるから人間の仕事はラクになりますよね。
ラクな仕事は当然ですが給料も伸び悩みます。
製造業の当たり前すぎる未来:第4次産業革命に備える
インダストリー4.0(第4次産業革命)では、IoTと3Dプリンタ-のテクノロジーが進化するから、世界中のどこでも、瞬時にモノが作られる世界になります。
例えば、ナイキのスニーカーは組み合わせを自分だけのオリジナルにカスタムできますよね。
これが車や洋服や家電でも起こります。
ある人がネットでオーダーしたら、その仕様データが自宅から最も近い工場へ送られて、本の数時間で完成、次の日には届く、みたいなイメージ。
製造現場では、センシングの技術が発達するから、工場の運営は中央集約化されて、もう出勤する必要はありません。
設計においても3Dプリンターであれば自由度が増します。
ジェットエンジンの冷却のための流路の話が有名です。
これまでの製造方法では実現できなかった流路設計ができるので、冷却効率が増してより高機能な開発が進んでいます。
こういった時代に突入した製造業で、今のあなたの仕事やスキルで大丈夫ですか?
そんな視点で考えてみたとき、エンジニアの選択肢があるなら、迷わずエンジニアを選択すべきなのかなと。
このあたりは別記事でも考察しているから、現状で「残業ゼロでラッキー!」と思考停止するのではなく、未来を想像してみてくださいね。
まとめ
20代はがむしゃらに働いておくのもいい経験ですけど、30代の残業は減らすべきです。
なぜなら家族時間や恋人時間も必要だし、人生は長いようで短いからです。
30代は効率化で残業を減らしていくこと自体がスキルになり、次の年収UPにつながります。
効率化にはコツがあり、特に「自動化」と「簡素化」が有効でして、すべて自動化してしまったあとは以下に時間を使えます。
・人脈作り
・新規開拓
・工場監査
・システム開発
・コスト分析
上記でジョブ型スキルを積み上げると、出世もできるし、年収UPの転職も選べるようにもなりますよ。
ノースキルは未来を選べない
どんな未来を選ぶかはあなた次第ですが、30代で働くステージを変えることができることは、あなたにとって大きなメリットになります。
ココは体験談ですが、社内で出世するにしても転職で年収UPするにしても、行動は未来の自分を基準に選ぶとうまくいきやすいです。
例えば、以下のとおりですね。
・独立したいから中小企業診断士や簿記2級を学ぶ
・海外で活躍したいから、英会話を学ぶ
・在宅ワークで稼ぎたいから、WEB集客を学ぶ
・オプションを増やしたいから転職スキルを上げておく
・将来が不安だから、今から副業や資産形成の勉強を始める
今はコンサル収入、ブログ、競馬で楽しく副業収入を得てますが、購買部員のスキルを活かした稼ぎ方は多いし、他の職種より方より断然稼ぎやすいです。
そのあたりの副業体験談は以下の記事にまとめています。
≫体験済│40代サラリーマンが会社にばれないで土日で稼げる副業10選
特にブログはいろいろな方と交流もできるし、webスキルが学べるから特にメリットが大きいと感じました。
≫初心者OK!40代におすすめの副業3選と始め方│10万円稼げます
ブログは誰でも千円くらいで始められるから、まずやってみて好きなら続けてみればいいし、ダメならやめてもノーダメージです。
ブログは初心者でも1時間もあればできますから以下の記事を参考にどうぞ。
≫【40代初心者向け】簡単な副業ブログの始め方│たったの3手順です
30代は油断に注意
スキルアップすると仕事は楽しいかもですが、時間はすぐに過ぎてすぐに40代に突入してしまいますよ。
そもそもの年収が上がっていないとしたら少し立ち止まって、次の目標に向けて動いておくべきです。
なぜなら、一番脂がのっているときに年収が停滞してしまうと後悔するからです。
例えば、30-40代のミドルステージである程度の年収ポジションにいないと、サラリーマンで年収1000万円を目指すことは難しくなります。
将来、年収アップを目指さずに、ユルフワに副業で稼いだり、趣味を楽しむ未来もありですが、もし年収をアップしていきたいなら、その方法も学んでおくべきかと。
購買職が年収1000万円を目指す手順は以下の記事にまとめています。
≫購買職の平均年収とは?収入を3倍増する3手順【1千万円の目指し方】
ミドル転職におすすめの転職サービスもあわせてどうぞ。
≫30代ミドル購買部員が登録すべき転職サイトとおすすめエージェント
ということで、本記事は以上です。